2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24591242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
福田 昇 日本大学, 総合科学研究科, 教授 (40267050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 高浩 日本大学, 医学部, 准教授 (40386008)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高血圧 / 補体 / ジンクフィンガーヌクレアーゼ |
Research Abstract |
高血圧病態での補体C3の役割について平成24年度は以下の3つの検討を行った。1) 遺伝性高血圧SHRにおけるC3遺伝子発現亢進の機序について、SHR等疾患モデル共同研究会と共同で行ったSHR/Izm、SHRSP/Izm、WKY/Izmの3系統の全ゲノムシークエンスからC3の遺伝子転写調節領域を含めた系統間のC3遺伝子構造をTBA法で比較した。その結果、C3遺伝子プロモーターを含めて配列構造異常は認めなかった。2) SHR/Izmの高血圧病態におけるC3の関与を検討するため、ZFヌクレアーゼ法によるC3 ノックアウト SHRの作成準備として、ラットC3遺伝子(Gene ID:12266, mRNA NM_016994)より、BNラットをreferenceにして切断部位を選択した。同部位に対しSHR/Izmゲノムでの構造確認を行い、構造上の相違を認めなかったので、Pre-pro C3に対するZFヌクレアーゼのデザイン、合成、精製した。3) C3の腎尿細管の上皮間葉化現象(EMT)にC3が関与しているか検討として、外因性C3a尿細管上皮細胞でEMTを引き起こし、間葉化された尿細管細胞ではレニンが発現している事を認めた。In vivoでUUOモデルをWildタイプ、C3ノックアウト(KO)マウスに作成し、EMTおよびレニン産生を検討した。UUOではEMTに伴い転写因子LXRαの核内移動により、腎尿細管もレニンを産生するが、C3 KOマウスではEMTもレニン産生もなく、UUOではEMTによりC3が産生され、LXRαを会してレニンを産生している事を認めた。このように我々はC3は腎尿細管でEMT、腎線維化、さらにはRA系を会して高血圧性腎硬化に関わっていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度内にZFヌクレアーゼ法によるC3 ノックアウト SHRの作成準備として、ラットC3遺伝子(Gene ID:12266, mRNA NM_016994)より、BNラットをreferenceにして切断部位を選択した。同部位に対しSHR/Izmゲノムでの構造確認を行い、構造上の相違を認めなかったので、Pre-pro C3に対するZFヌクレアーゼのデザイン、合成、精製した。平成25年度からC3ノックアウトSHR/Izmの作成に移る事が出来、概ね順調。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は京都大学の真下と共同でC3 KO SHRを作成し血圧を含めて表現系、間葉系組織の変化を観察する。その後日本大学でC3 KO SHRを、生体の特徴を確立するため、出生時の心臓、腎臓、大動脈、肝臓、副腎、肺、脂肪組織の重量と形成をSHRと比較する。C3 KO SHRが胎生致死であった場合には、胎生期の心臓、腎臓、大動脈、肝臓、副腎、肺、脂肪組織の重量と組織学的特徴をSHRと比較する。SHRおよびC3 KO SHRを日本大学医学部実験医学研究所で飼育し、体重、血圧(Tail cuff法)、尿量、尿蛋白、飲水量、摂餌量をモニタリングする。8、20週齢雄性SHRとC3 KO SHRの血液を採取、血糖、TG、HDLコレステロール、LDLコレステロール、クレアチニン、尿酸、ACTH、バゾプレッシン、レニン、アルドステロン、コルチゾール、アンジオテンシンII、カテコラミン3分画、インスリン、ANPの基礎値を把握する。WKY、SHRおよびC3 KO SHRでのVSMCおよびMCの形質、増殖能の比較検討:C3 KO SHR由来VSMCおよびMCはSHR由来VSMCの様に、過剰な増殖や合成型形質を示さず、Ang IIの産生も抑制されていると予想される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は京都大学にあるラットバイオリソースセンターでのC3 KO SHR作成費用が使用される。日本大学でC3 KO SHRの飼育、生体の特徴を確立実験、血糖、TG、HDLコレステロール、LDLコレステロール、クレアチニン、尿酸、ACTH、バゾプレッシン、レニン、アルドステロン、コルチゾール、アンジオテンシンII、カテコラミン3分画、インスリン、ANPの基礎値の測定などの外注測定費。血管平滑筋細胞およびメサンジウム細胞の形質、増殖能の比較検討の為の培養、PCRなどの分子生物学的研究試薬を購入する。
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Research Products
(10 results)