2014 Fiscal Year Annual Research Report
バゾプレッシンⅤ1a受容体によるアルドステロン受容体核内輸送機構の解明
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24591244
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
野々口 博史 北里大学, 北里大学メディカルセンター, 副院長 (30218341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 健 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70217769)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エリスロポエチン / 低酸素 / 貧血 / Hypoxia inducible factor / アルドステロン / in situ hybridization / NKCC2 / 間在細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓は、電解質代謝、酸塩基平衡の調節を司る臓器だけでなく、造血ホルモンであるエリスロポエチン(Epo)の産生の場でもある。これまでEpoは、腎尿細管ではなく、腎間質の繊維芽細胞で産生されると考えられてきた。我々は、高感度in situ hybridization法を用いて、正常状態においては、腎皮質部の尿細管、中でも集合尿細管間在細胞で特に産生されることを明らかにした。マウスを1%の低酸素4時間にすると、腎間質でのEpo産生が著明に増加した。尿細管でも増加を認めたが、2倍程度であった。低酸素刺激では、Hypoxia inducible factor 2α発現が増加することが知られているが、その代謝に重要なHIF prolyl hydroxylase 2 がEpo産生が認められる皮質部尿細管に広く発現し、低酸素で遺伝子発現が増加することも明らかにした。Epo産生が認められた腎集合尿細管間在細胞のcell line (IN-IC cell)にアルドステロンを投与すると、PHD2発現を刺激し、Epo産生が増加することを見出した。コントロールマウスでは、外因性アルドステロンであるフロリネフによるHIF2α刺激が、バゾプレッシンV1aR-KOマウスでは認められず、アルドステロンによるEpo産生制御においてもV1aRの存在が必須であることが確認された。 髄質部及び皮質部ヘンレの太い上行脚に発現するNa-K-2Cl cotransporter (NKCC2)には、A, B, Fの3つのisoformが存在することが知られている。私たちはmicrodissection法とRT-PCR法、定量的なcompetitive PCR法を用いて検討した。NKCC2fだけが、尿濃縮に重要なMALに発現し、a, b, fの3つのisoformのうち、NKCC2f が機能的に最も重要と考えられた。
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Research Products
(8 results)