2013 Fiscal Year Research-status Report
PHSRNペプチドによる腹膜再生機構の薬理学的解明と臨床応用
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24591245
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
田村 雅仁 産業医科大学, 大学病院, 准教授 (40330980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹野 良太 産業医科大学, 大学病院, 講師 (00309957)
宮本 哲 産業医科大学, 医学部, 助教 (30611305)
椛島 成利 産業医科大学, 大学病院, その他 (80279322)
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Keywords | 腹膜透析 / 慢性腎不全 / 細胞接着 |
Research Abstract |
腹膜透析では透析液による腹膜劣化のため、10年以上の長期間治療を継続することが困難である。腹膜劣化の原因として、透析液中に含まれる高糖濃度やブドウ糖分解代謝産物(GDPs)などの非生理的物質が考えられている。我々は培養腹膜中皮細胞において、透析液中に含まれるブドウ糖の濃度により、インテグリン依存性の細胞接着が阻害され、中皮細胞の創傷治癒が阻害されることを報告した(Tamura M, Kidney Int, 63: 722, 2003)。また、インテグリン活性化ペプチドであるPHSRNがインテグリン依存性の細胞接着を亢進させ、腹膜中皮細胞の再生を促進させることを、培養腹膜中皮細胞とラット腹膜透析モデルの両者において明らかにした(Miyamoto T, Tamura M, Nephrol Dial Transplant, 25: 1109, 2010)。さらに、ブドウ糖に替わる浸透圧物質として開発されたIcodextrinでは、ブドウ糖のようなインテグリン依存性の細胞接着阻害作用がないことも明らかにした(Matsumoto M, Tamura M, Life Sci, 90: 917, 2012)。このように本研究は腹膜透析における腹膜劣化の発症機序の解明や、腹膜劣化進展の抑制について、インテグリンを介した創傷治癒という観点からの検討を行うことで、腹膜透析療法の長期間にわたる安全な実施を期待出来るようになる可能性があり意義が高いものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PHSRNペプチドのインテグリンによる細胞内シグナル伝達に与える影響に関しては、ほぼ計画通り進捗しているが、一方で腹膜創傷治癒の促進による腹膜障害治療の臨床応用に向けて、PHSRNペプチドによる腹膜創傷治癒促進作用の機序解明やペプチドの最適な投与方法の検討を行うことについては、未だ十分な成果を挙げることが出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット腹膜透析モデルにおいてPHSRNペプチドの最適な投与方法と、各種サイトカインや成長因子への影響について検討を行う。そのために、ラット腹膜透析モデルにおいて中皮細胞のの単層剥離による急性腹膜障害を惹起し、腹膜創傷治癒の過程において腹膜透析液成分とPHSRNペプチドが与える影響を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初は成果発表のため旅費や論文作成のための英文校正などを行う予定であったが、その支出がなかった。また計画がやや遅れており、試薬等の購入が予定を下回った。 次年度は腹膜透析ラットモデル作成のため、ラット購入や手術関連費用(麻酔薬、手術器具など)を購入予定である。また、インテグリンシグナルについての研究を行うに当たり必要なFAKなどのプラスミドに関連した試薬類を購入する。培養細胞についてはrat腹膜中皮細胞や線維芽細胞などの購入や継代培養のための維持費用などが必要である。Western blotting用や免疫染色用の試薬も購入予定である。 研究成果を国内外の学会で発表するための旅費が必要である。また英文原著作成に当たり、英文校正のための謝金や投稿費、掲載費なども要する。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Prognostic value of LA volumes assessed by transthoracic 3D echocardiography: comparison with 2D echocardiography.2013
Author(s)
Wu VC, Takeuchi M, Kuwaki H, Iwataki M, Nagata Y, Otani K, Haruki N, Yoshitani H, Tamura M, Abe H, Negishi K, Lin FC, Otsuji Y.
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Journal Title
JACC Cardiovasc Imaging.
Volume: 6(10)
Pages: 1025-1035
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Coronary arterial remodeling and out-stent plaque change after drug-eluting stent implantation--comparison between zotarolimus-eluting stents and paclitaxel-eluting stents.2013
Author(s)
Muraoka Y, Sonoda S, Kashiyama K, Kamezaki F, Tsuda Y, Araki M, Tamura M, Takeuchi M, Abe H, Okazaki M, Otsuji Y.
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Journal Title
Circ J.
Volume: 77(2)
Pages: 363-371
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[Presentation] Plasma Pentraxin-3 Levels Are Associated with Risk of Nutritional Status in Hemodialysis Patients2013
Author(s)
Tetsu Miyamoto, Mika Matsumoto, Hiroshi Tanaka, Emi Hasegawa, Akihiro Kuma, Yoko Fujimoto, Kenichiro Bando, Ryota Serino, Narutoshi Kabashima, Yutaka Otsuji, Masahito Tamura.
Organizer
Kidney Week 2013 American Society of Nephrology
Place of Presentation
Atlanta, USA
Year and Date
20131105-20131110
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