2013 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症の神経病理学的,分子遺伝学的検討
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24591250
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
藤田 行雄 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70420172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 幸市 群馬大学, その他部局等, 名誉教授 (00124652)
池田 将樹 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (50222899)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ELP3 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病因としてRNAの異常が注目されている。Elongator complex protein 3 (ELP3)はトランスファーRNAの転写後のプロセシングに関与するとされ、さらにELP3遺伝子多型が孤発性ALSと関係していることが報告されている。これらのことから、本年度我々はELP3のALSにおける関与について神経病理学的研究を行った。その結果、TDP-43陽性封入体を有するALS (ALS-TDP)とFUS陽性封入体を有するALS (ALS-FUS)の両者でそれぞれみられる封入体がELP3と共存していることを見いだした。一方で、ALS-TDPおよびALS-FUSでみられるグリア細胞内封入体と海馬歯状回顆粒細胞など非運動ニューロンでみられるTDP-43陽性封入体はELP3抗体では染色されなかった。この所見はELP3のC末端を認識する抗体でのみ認められており、N末を認識する抗体では認められなかった。これらのことはALSの神経細胞内封入体形成にELP3の関与があること、ALSで認められる運動神経細胞内封入体と非運動神経細胞およびグリア細胞内封入体の形成過程には違いがあることが示された。また、ELPのC末は微小管のα-tubulinのアセチル化を担う部分であることからALSの病態にRNAの異常が関与するともに微小管の異常が関与する所見と考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ELP3の病理学的異常についてさらに詳細に検討ができたと考えており、ELP3の遺伝子に関しても数例で既に検討されている。さらにこの検討の中ではALSにおけるTDP-43とFUSの関連についてもあわせて検討ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
ELP3遺伝子について症例数を増やして検索していく 引き抜き損傷ラットの検討については各種抗体の至適濃度などの確認がすみ、検討に入る予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度購入の抗体が残っておりこれから使用したために本年度は残高が生じた。 認識部位の異なるELP3抗体、電顕資料作成のための物品購入する。 ELP3遺伝子検査の件数も増やす予定でありそのための費用にも充てる予定である。
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Research Products
(4 results)