2012 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症の細胞群別の分子病態の網羅的解明
Project/Area Number |
24591259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 博史 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60402913)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 遺伝子 / マイクロアレイ / グリア |
Research Abstract |
孤発性ALS患者脊髄(n=4)とコントロール脊髄(n=5)からmRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ(Affymetrix社Human Genome U133 Plus_2.0 Array)を用いてALS患者で変動している遺伝子を抽出した。変動遺伝子の抽出に当たっては、バックグラウンドシグナルに近い低発現遺伝子(測定誤差が大きく見かけ上変動しているように見えやすい)を除去して1.8倍以上の変動示す遺伝子を抽出した後、t検定により孤発性ALSの脊髄で有意(p<0.05,多重検定補正あり)に変動している197個の遺伝子を選び出した。 この段階では変動遺伝子が脊髄を構成する細胞種(主なものとして神経細胞、アストロサイト、マイクログリア、オリゴデンドロサイト)のうち、どの細胞種によく発現していてmRNAの変動がどの細胞種の関与によるかは明らかではないため、同じ哺乳類であるマウスのorthologueの細胞種ごとの相対的発現レベルがわかるトランスクリプトームを一部データベースを利用して作成した。解析に用いるAgilent社のGeneSpring_GXによりマウスとヒト間での相同遺伝子の変換が可能なため、トランスクリプトームを用いることにより、ALS患者脊髄のmRNAの変動が、主にどの細胞種の関与によるものかを推定することが可能となった。 その結果孤発性ALSの脊髄で変動している197遺伝子のうち、対応するマウスのorthologueがない24遺伝子を除いた173遺伝子の変動のうち61遺伝子はミクログリアの、22遺伝子はアストロサイトにより豊富に発現する遺伝子であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標である、ALSとコントロール患者の脊髄を用いてマイクロアレイを行い、神経細胞、アストロサイト、マイクログリア、オリゴデンドロサイトのマウストランスクリプトームを用いて、変動遺伝子がどの細胞種により豊富に発現しているか予測が出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
ALS患者脊髄で発現レベルが変動している遺伝子のうち重要と考えられるものについて、ALSモデルマウスを用いて脊髄の免疫染色により蛋白発現の変動とその細胞種についての確認を免疫組織化学的に行う。 変動遺伝子につき、既発表の文献検索、Ingenuity Pathway Analysis等の解析ソフトを用いたパスウエイ解析を行う。 ALS治療のグリア細胞での標的として有望であり、遺伝子改変マウスが入手可能な場合には、変異SOD1発現マウスとの交配実験により治療効果をin vivoで検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究に要する試薬代、解析ソフトライセンス代等に使用予定である。
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Research Products
(4 results)