2014 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化危険因子による脳小血管内皮細胞の接着機構障害とその機序の解明
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24591260
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八木田 佳樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい教員 (20403066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 一夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70301257)
大山 直紀 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (90622895) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳虚血 / 細胞接着 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳虚血時に血管透過性を評価する目的でVE-cadherinなどの脳血管内皮間細胞接着因子の発現量が検討されることがある。しかし局所脳虚血モデルを用いた本研究の結果からは、脳虚血後にVE-cadherin蛋白の発現量は24時間後までは不変であり、その後は有意に増加する。mRNA発現量の検討においてもVE-cadherinの発現は脳虚血後に亢進することが示された。その局在は虚血後でも変わらず血管内皮に限局していた。一方でβ-catenin蛋白量の発現量に有意な変化ななかった。我々はこれまでの検討により、虚血脳ではVE-cadherinの接着能を負に制御するIQGAP1とβ-cateninの相互作用が増強されることを示してきた。以上の結果より、脳虚血後VE-cadherinの発現量は遺伝子レベル、蛋白レベルともに増加しているものの、これを介する細胞接着は減弱していることが示唆された。この一連の流れのトリガーになるものの一つとしてVEGFがある。脳虚血病態において、VEGFの発現亢進は脳血管透過性亢進を引き起こし、浮腫の増悪や出血性変化の誘因となることが報告されている。またVEGFの作用によりIQGAP1は活性化されることが報告されている。我々のモデルにおいてVEGFはmRNAレベルで発現が亢進していた。VEGFには選択的スプライシングにより多くのアイソフォームが存在しており、血管透過性亢進作用に差がある。またむしろ血管透過性抑制性に働くVEGFbの存在も知られている。121kDa, 144kDa, 164kDa, 188kDa, 206kDaの各々に特異的なプライマーを作成し、RT-PCRによりその発現を評価した。虚血脳ではVEGF164が最も多く発現しており、主として作用しているVEGFであると考えられた。一方でVEGF164bは検出されなかった。以上の結果より虚血脳では、VEGF発現亢進がIQGAP1活性化を介して、VE-cadherinの内皮細胞間接着を抑制することが血管透過性亢進を誘導する機序の一つとして推測された。
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Research Products
(4 results)