2014 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病における脳の慢性炎症病態解析と治療法開発
Project/Area Number |
24591266
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
原 英夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (00260381)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / 老人斑 / 免疫抑制因子 / リンパ球 / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢(26ヶ月齢)のAPPトランスジェニック(tg)マウスにAβペプチドを免役し脳炎を惹起した場合と、Aβ反応性のCD4+Th1+ T cellを移入した場合において、新たな免疫抑制因子であるSPARC/osteonectinを用いて治療し、免疫反応の抑制、脳炎の改善効果を解析した。Aβペプチドを免役し脳炎を惹起した群においては血管周囲にCD4+ T細胞とIba-1陽性のミクログリアを認めた。一方、更にSPARC/osteonectinリコンビナント蛋白をマウスに投与した群においては、明らかなCD4+T細胞やB細胞の浸潤は認められなかった。脳の老人斑染色では、Aβ沈着の量はこの両群に有意な差は無かった。次に脳炎惹起性(Th1/17)T細胞クローンを高齢(26ヶ月齢)のAPP tgマウスに移入し、マウスの脳にどの程度の炎症が惹起されるかと同時に、SPARC/osteonectinリコンビナント蛋白をマウスに投与し、その抗炎症作用を解析した。脳炎惹起性(Th1/17)T細胞クローンを移入した群においては、血管周囲にCD4+ T細胞浸潤を認めた。同時にSPARC/osteonectinを投与した群のマウスではT細胞、B細胞とも浸潤は認められなかった。炎症性サイトカインの発現は、特にAβペプチドを免役し脳炎を惹起した群と脳炎惹起性(Th1/17)T細胞クローンを移入した群において、TNF-αの発現がみられ、SPARC/osteonectinを投与した群のマウスではTNF-αの発現は低下していた。興味あることに、SPARC/osteonectinを投与した群のマウス脳においては、抑制系のサイトカインIL-6の発現が増加していた。SPARC/osteonectinは炎症細胞の脳内浸潤抑制、炎症性サイトカインの発現低下と抑制系IL-6産生誘導などの効果があると推察される。
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[Journal Article] Basal Ganglia Cerebral Microbleeds and Global Cognitive Function: The Kashima Scan Study.2014
Author(s)
Yakushiji Y, Noguchi T, Charidimou A, Eriguchi M, Nishihara M, Hara M, Nanri Y, Horikawa E, Nishiyama M, Werring DJ, Hara H.
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Journal Title
J Stroke Cerebrovasc Dis.
Volume: 24
Pages: 431-439
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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