2014 Fiscal Year Annual Research Report
筋炎のデータベース構築と統合的多要因解析による病態解明と治療実態の検討
Project/Area Number |
24591289
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 潤 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40260492)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋炎 / 臨床分類 / 筋炎特異自己抗体 / 筋炎関連自己抗体 / 組織 / 統合的アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
筋炎は臨床像・血清自己抗体の種類・病理像で特徴づけられるheterogeneousな疾患である。最終年度は、筋炎症例の臨床像、自己抗体、病理像の関係を治療前の血清と筋組織像が得られた327例で統合検討をおこなった。327例の臨床像はBohan Peter分類で皮膚筋炎(DM)111例、多発筋炎(PM)191例、封入体筋炎(IBM)25例であった。ヨーロッパ神経筋センター筋炎分類(ENMC筋炎分類)を改編し、臨床分類との区別のためにPM,DMをそれぞれp-PM, p-DMと名称し、amyopathicDMに対応し筋力低下は軽度で血清CKが正常の例をmild-DMとした場合、DM/PMの302例の改編ENMC筋炎分類はp-DM 92例、mild-DM 19例、non-specific myositis 139 例、p-PM15 例,immune-mediated necrotizing myopathy(IMNM)37例であった。筋炎特異抗体または筋炎関連抗体はDMの84%、PMの67%に出現し、抗-SSA 36, -Jo1 33, -TIF1γ 33, -SRP 31, -U1 27, MDA5 18,-EJ 19, -リボソーム17, HMW(KU)11, -Sm 9, -SSB 8, -OJ 7, -PL7 7、その他11の各抗体であった。病理所見との関係では、IMNMは抗SRP抗体,筋内鞘補体沈着は抗TIF1γ抗体、perifascicular atrophyは抗TIF1γ, -Mi2, Jo1, SSAの各抗体と関係した。また、p-PMの自己抗体出現率は33%であり低頻度であった。筋炎は臨床像・血清自己抗体の種類・病理像の観点から統合的にとらえ分類し、亜群ごとの検討が病態解明と副作用の少ない治療開発に必要である。本検討の結果に基づき、亜群ごとの治療効果解析や組織病変解析からの病態解明をすすめていく予定である。
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