2012 Fiscal Year Research-status Report
脂質異常症(HDLコレステロール低値)が脳梗塞予後および再発に与える影響
Project/Area Number |
24591300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑城 貴弘 九州大学, 大学病院, 助教 (70568964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北園 孝成 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70284487)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / 脂質異常症 / 再発 / 病型 |
Research Abstract |
FSRデータは,平成24年度には,約1,000例の症例蓄積があった. 1.脳梗塞症例について,発症時の臨床情報,臨床病型,臨床背景を調査,検討した.2.入院時には,全症例について,血算,生化学,凝固,他の詳細な採血データを取得した.3.入院中の検査・画像所見,治療法,臨床経過,合併症,等の詳細な情報を登録した.4.退院時には,詳細な神経症候,高次脳機能(認知機能,他),および二次予防目的に投与された内服薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬を中心とした血清脂質低下薬,抗血栓薬,降圧薬,抗糖尿病薬,他)の有無を調査,登録した.5.専任のCRC(clinical research coordinator)により,退院後は,3ヶ月,6ヶ月,1年,2年,3年後に,詳細な機能評価(modified Rankin Scale; mRS,他)を行い,この間における二次予防薬の内服状況,脳心血管疾患発症の有無(再発)についても調査を行う予定である. <データ解析>1.3ヶ月,6ヶ月,1年後の予後調査が施行された脳梗塞症例を抽出し,症例の検討,解析を施行中である.2.機能予後(mRS)により,群分けを行い,多群間で,発症時臨床情報,脳梗塞臨床病型,臨床背景,入院時採血データとの関連を比較検討し,予後不良因子を,多変量解析にて同定する予定である.3.退院後の予後データが蓄積されつつあり,少数例での予後規定因子を解析中である. <発表>International Stroke Conference 2013(2013.2.6 Honolulu U.S.A.)において,研究成果を発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,FSR登録症例は,脳梗塞群で約1,000例の追加があった.各施設での,臨床病型を初めとした臨床情報の収集は順調に進み,脱落例は少数にとどまり,同意取得率は90%以上であった.同一基準での脳梗塞疾患群による,統計解析を今後行うためのデータが順調に集められている.同時に,登録症例については,発症後の定期的な予後調査を開始し,心疾患および脳血管疾患再発の有無を追跡調査中である.現時点での登録症例を用いて,International Stroke Conference 2013(2013.2.6 Honolulu U.S.A.)において,研究成果を発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,予後調査と平行し,主に統計解析を行う. 1.1年間の脳梗塞再発に関して,Cox比例ハザードモデル解析法,等を用いて,再発危険因子を検討,同定する予定である.2.脂質異常症と予後・再発の関係について,入院時LDLコレステロール, HDLコレステロール,中性脂肪(Triglyceride; TG)の値と,1年後予後(mRS),脳梗塞再発の危険度を明らかにする.3.脳梗塞再発に関連する危険因子を同定後,複合因子を用いた再発スコアリングを構築する.4.脳梗塞発症後の症例群における,脂質異常症と他の心血管疾患の発症(再発)の関係を明らかにする.5.可能であれば,登録症例を用いて薬剤介入試験を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ収集,統計解析を遂行するためのコンピューター機器,周辺機器に使用する予定である.また,定期的な施設代表者による会議開催のための費用,および,国内,海外での学会発表費用に使用予定である.さらに,データ解析が進んだ後には,論文作成,投稿,出版における費用に使用予定である.
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Research Products
(7 results)