2013 Fiscal Year Research-status Report
好中球による脂肪組織炎症とインスリン抵抗性惹起機構の解明
Project/Area Number |
24591316
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kure Medical Center |
Principal Investigator |
亀井 望 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (00448242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 亮 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20396732)
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Keywords | インスリン抵抗性 / 糖尿病 / 脂肪組織 / 炎症 / 好中球 |
Research Abstract |
慢性炎症、特に脂肪組織へのマクロファージの浸潤は、肥満におけるインスリン抵抗性の発症と進展に大きな役割を果たしている。CD8+T細胞、regulatory T細胞、肥満細胞、好酸球などの多くの免疫細胞が、マクロファージの浸潤と活性化の調節を介して肥満に伴う脂肪組織の炎症と全身のインスリン抵抗性の進展に関わっていることが明らかとなっている。我々は、マウスとヒトの脂肪組織には好中球も存在していること、マウスに高脂肪食を負荷すると好中球はマクロファージに先行して浸潤が増加し、全身のインスリン抵抗性惹起に関与する事を明らかにした。しかし、脂肪組織に浸潤した好中球に特徴的な性質と役割、その誘因となる因子等については未だ良く分かっていない。 そこで、脂肪組織好中球の役割を明らかにするために、脂肪組織好中球の遺伝子発現プロファイルの網羅的解析を目指した。前年度において、通常食のマウスと高脂肪食負荷したマウスからそれぞれ脂肪組織と脾臓を取り出し、フローサイトメーターを用いて好中球のシングルセルソーティングを行った。しかし、得られるRNA量が少なかったために、マイクロアレイ解析を断念した。 当該年度においては、得られたRNAからcDNAライブラリを作製し、上記の問題を解決するために、次世代シーケンサーによるRNAシーケンスを他施設の協力のもと行った。プレリミナリーな解析を行っているところである。 また、分担研究者とともにミエロイド系細胞特異的な遺伝子改変動物や好中球の遊走に関わると考えられるロイコトリエン経路の遺伝子改変動物を用いた研究も継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたマイクロアレイ解析では目的が実現不可能であったため、次世代シーケンサーを用いたRNAシーケンスに方法を変更した。大幅な予定変更のため、遅れが生じている。 また、研究代表者の異動のため、研究を行うための時間的な制約が生じた。遠距離のため、研究代表者は研究分担者と研究打ち合わせやディスカッションを十分な回数行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAシーケンスの解析をさらに進め、脂肪組織好中球の遺伝子プロファイルから肥満に伴う性質の変化や遊走の機序などを解明する。また、分担研究者とともにミエロイド系細胞特異的な遺伝子改変動物や好中球の遊走に関わると考えられるロイコトリエン経路の遺伝子改変動物を用いた研究を継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は異動があったため、当初の研究計画と実際の実施に差が生じた。 最終年度であり、研究内容を積極的に発表するために使用する。
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Research Products
(3 results)