2013 Fiscal Year Research-status Report
インスリン転写因子Mafaの新規標的遺伝子の解析と膵β細胞再生への応用
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24591328
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松岡 孝昭 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10379258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮塚 健 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60622363)
金藤 秀明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80448034)
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Keywords | 糖尿病 / 膵β細胞 / インスリン / Mafa |
Research Abstract |
A) Mafaの直接的な標的遺伝子候補を得た。うち、1因子(Marp)をMIN6細胞においてノックダウンした系では、インスリン分泌に関与し得る既知の因子に変化なく、インスリン分泌低下を認めた。Conditional knock-out (flox) mouseを作製しているところであるが、Marp systemic knock-out miceの作製には既に成功している。Marp systemic knock-out miceのhomozygote は胎生致死であり、heterozygoteでは、外見上正常の発育を認め、iPGTT上、軽度ではあるが、グルコース応答性インスリン分泌の低下を認める。Marp conditional knock-out miceの作製により、膵β細胞特異的Marp knock-outが可能となり、より詳細にMarpの膵β細胞における働き、糖尿病への関与を評価し得ると考えている。 B) in vivoにおける膵β細胞への分化転換に適した候補細胞を見出すことを目的とし、組織特異的にインスリン転写因子を発現誘導し得るトランスジェニックマウス4種類(Mafa, Pdx1, Ngn3, NeuroD1各転写因子のconditional mis-expression mice)を作製した。これらの膵外分泌細胞及び膵導管細胞への異所性発現誘導を試みており、いずれの成熟組織においてもインスリン遺伝子発現を誘導し得ることを確認している。これまでに、膵外分泌細胞に比べ膵導管細胞において、より効率的にインスリン陽性細胞への分化転換を誘導し得ることを報告しており、また、Slc2a2やNkx6.1の発現も膵導管細胞でより明瞭に確認できることから、膵β細胞関連転写因子による成熟膵β細胞への分化転換には、膵導管細胞が、より候補細胞として適しているとの考えに至っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いまだ論文化には至っていないが、今年度実施の実験では、予想通りの結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
A) Mafa標的遺伝子の同定に成功し、同因子の全身でのヘテロノックアウトマウスを作製し得た。同マウスでは膵β細胞機能障害を認めており、現在、膵β細胞特異的ノックアウトマウスの完成間近である。 B) 上記候補細胞においてインスリン発現が誘導されており、ROSA-GFPマウス(Jackson lab.より入手済)を用いてCre発現細胞をGFPにより標識し、FACSにより単離した後、膵β細胞関連因子の発現量をTaqMan PCR Arrayにより網羅的に解析・評価する予定としている。
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