2012 Fiscal Year Research-status Report
運動による糖脂質代謝改善機構の解明と生活習慣病に対する新規運動効果模倣薬の探索
Project/Area Number |
24591332
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
細岡 哲也 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60590594)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 運動 / 骨格筋 / エネルギー代謝 |
Research Abstract |
代表者は、PGC-1αの新規アイソフォームPGC-1αb/cを同定しアイソフォーム特異的ノックアウトマウスの解析を通して、既知PGC-1αではなく新規アイソフォームPGC-1αb/cが運動による糖脂質代謝代謝改善作用を担うことを明らかとした。本研究は、1)PGC-1αb/cを活性化する新規運動効果模倣薬の探索、2)PGC-1αb/c-転写因子Xを基軸とする運動による糖脂質代謝改善機構の解明、を目的とした。 1)PGC-1αb/cを活性化する新規運動効果模倣薬の探索 PGC-1αb/cプロモーターの制御下にルシフェラーゼを発現するコンストラクトを作製し、これを培養骨格筋細胞C2C12細胞に導入して恒常的発現株を樹立した。この細胞株を用いて、PGC-1αb/cプロモーターを活性化する化合物のスクリーニングを開始している。これと並行して、生体における化合物のスクリーニング目的のため、骨格筋特異的PGC-1αb/cレポーターマウスの作製に着手し、概ねこれを終了した。 2)PGC-1αb/c-転写因子Xを基軸とする運動による糖脂質代謝改善機構の解明 運動による糖脂質代謝改善機構を解明するために、骨格筋においてPGC-1αb/cと会合する転写因子Xの役割を明らかとする必要がある。まず、転写因子Xの骨格筋特異的ノックアウトマウスの作製に着手し、すでにキメラマウスの作出に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PGC-1αb/cを活性化する新規運動効果模倣薬の探索に関しては、PGC-1αb/cプロモーターの活性化をルシフェラーゼの発現により検出することのできる恒常的発現細胞株をすでに樹立し、これを用いて化合物のスクリーニングを開始している。また、これと並行して、生体における化合物のスクリーニングのため、骨格筋特異的PGC-1αb/cレポーターマウスの作製に着手し、概ねこれを終了している。 PGC-1αb/c-転写因子Xを基軸とする運動による糖脂質代謝改善機構の解明については、転写因子Xの骨格筋特異的ノックアウトマウスが必須となるが、すでにキメラマウスの作出に成功しており、ノックアウトマウスも計画通り作出できる可能性が高い。 以上のことから、本研究は概ね順調に進展していると考えることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
PGC-1αb/cプロモーターの活性化をルシフェラーゼの発現により検出することのできる恒常的発現細胞株を用いて化合物のスクリーニングを行う。可能性のある化合物については骨格筋特異的PGC-1αb/cレポーターマウスを用いてその効果を調べる。最終的には、候補化合物を肥満糖尿病モデルマウスに投与して糖脂質代謝に対する効果を検討する。 転写因子Xの骨格筋特異的ノックアウトマウスの表現型を解析し、運動による糖脂質代謝改善作用における転写因子Xの役割を明らかとする。また、PGC-1αb/c-転写因子Xが上流のどのようなシグナルにより活性化され、どのような標的遺伝子を制御するかについて詳細な解析を行い、PGC-1αb/c-転写因子Xを基軸とする運動による糖脂質代謝改善機構について明らかとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)PGC-1αb/cを活性化する新規運動効果模倣薬の探索 化合物のスクリーニングのために必要なルシフェラーゼ用試薬や細胞培養関連費用、骨格筋特異的PGC-1αb/cレポーターマウスの飼育費用、肥満糖尿病モデルマウスの購入・飼育費用等に使用する。 2)PGC-1αb/c-転写因子Xを基軸とする運動による糖脂質代謝改善機構の解明 転写因子Xの骨格筋特異的ノックアウトマウスの飼育費用や、解析に必要なリアルタイムPCR試薬、代謝パラメーター評価に必要なELISAキット購入費などに使用する。
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