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2013 Fiscal Year Research-status Report

骨髄増殖性腫瘍の新しい原因遺伝子Lnkの機能解析

Research Project

Project/Area Number 24591399
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

山之内 純  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (10423451)

Keywords骨髄増殖性腫瘍
Research Abstract

骨髄増殖性腫瘍のうち、本態性血小板血症の原因とされるJAK2 V617F変異の有無について解析した。その結果、24人中14人に同変異を認めた。次いで、JAK2変異陰性であった10人の患者から血小板を分離し、血小板mRNAを抽出した。RT-PCR法でLnk mRNAを増幅し、シークエンス解析を行ったところ、1人にSH2ドメインにheterozygousな遺伝子異常を発見した。この変異はpolymorphismとしては報告されていない新たな変異であった。そこで、今回発見したLnkの遺伝子異常がJAK2 V617F変異と同じように恒常的にJAK/STAT系でリン酸化を起こし、シグナルが伝わっているかを確認すること目的に今回発見した遺伝子異常のLnk変異体と、TPO依存性の細胞増殖を阻害すると報告されているLnk R392E、polymorphismとして報告されているLnk N537Dの3つの変異体を作成した。これらと野生型のLnkをBaF3細胞に遺伝子導入して、JAK/STAT系のシグナルについて検討した。次に、Lnk変異体とLnk siRNAをマウスES細胞に遺伝子導入し、赤芽球系細胞または巨核球系細胞に分化させ、細胞分化について検討することを計画している。
次いで、私たちは、Stat3を血球系で特異的にノックアウトして、in vivo でのSTAT3の機能解析を行った。Tie2-Cre STAT3コンディショナルノックアウトマウスでは、貧血を認めた。網状赤血球の増加、エリスロポエチンの増加、LDH高値、脾腫を認めたことから、溶血性貧血と考えられた。今後、骨髄の評価を含め、さらに詳細な検討を加えていくことで赤血球分化の過程におけるSTAT3の役割ならびに溶血性貧血の発症メカニズムを明らかにしていく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

in vitroでの実験系において今回発見したLnkの遺伝子異常のJAK/STAT系に及ぼす影響についてはBaF細胞では検討できたが、マウスES細胞を使っての実際に赤芽球系細胞、または巨核球系細胞が増加するか否か、血球の分化に及ぼす影響については現在検討中である。
Tie2-Cre STAT3コンディショナルノックアウトマウスの作成、解析は進んでおり、血球分化の過程におけるSTAT3の役割について報告した。
また、申請時に計画していたLnk変異ノックインマウスの作製についてはとりかかれていない。

Strategy for Future Research Activity

Lnk siRNA導入ES細胞およびLnk変異遺伝子導入ES細胞の遺伝子発現をコントロールES細胞と網羅的に比較検討する。次に、さまざまな細胞への分化誘導系を用いて、JAK/STAT系シグナルについて検討すると共に、Lnkの細胞分化に関する役割を明らかにする。特に、赤芽球系分化に関する影響を、glycophorin Aの発現、benzidine染色によるhemoglobin産生などによってコントロールと比較する。さらに、巨核球系分化に関する影響を、CD41やCD61の発現、フィブリノゲンへの結合などによってコントロールと比較する。また、JAK2阻害剤の効果についてもLnkの野生型とそれぞれの変異体が発現した細胞と共培養することで、JAK/STAT系のシグナルについて検討する予定である。
本態性血小板血症の患者の原因遺伝子として、最近、N Engl J Medにcalreticulinの遺伝子異常が報告された。calreticulinの遺伝子異常を有する本態性血小板血症の患者では、JAK2 V617F遺伝子変異を有する患者に比べて、血小板数が多いが、血栓症は少ないとも報告されている。そこで私たちは本態性血小板血症の患者で、原因となる遺伝子異常によって血小板機能に違いがあるのではないかと考え、評価することを計画している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

申請時に計画していたLnk変異ノックインマウスの作製についてはとりかかれておらず、そのため、予定していた試薬の購入などを次年度に繰り越した。
前年度に計画していたLnk変異ノックインマウスの作製のため必要な試薬の購入にあてる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Accelerated destruction of erythrocytes in Tie2 promoter-driven STAT3 conditional knockout mice.2013

    • Author(s)
      Ohkubo N, Suzuki Y, Aoto M, Yamanouchi J, Hirakawa S, Yasukawa M, Mitsuda N
    • Journal Title

      Life Sciences

      Volume: 93 Pages: 380-387

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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