2013 Fiscal Year Research-status Report
c-Mybレポーターマウスを用いた血液幹細胞維持および分化機構の分子論的解析
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24591400
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂本 比呂志 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (00347014)
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Keywords | c-myb / 血液幹細胞 / 前駆血液細胞 / 転写因子 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、c-Mybのレポーターマウスを用いて以下の研究を推進した。 骨髄移植実験により、c-Mybの発現量に応じて血液幹細胞の性質が全く異なっていることを明らかにした。c-Myb低発現細胞に強い血液幹細胞活性が観察された。この結果は、遺伝子発現実験においても 血液幹細胞遺伝子群(GATA2、cdkn1c等)の強い発現において確認された。細胞周期の解析においては G0期とG1期の分布が顕著に高い割合であった。BrdUのラベリングによる血液幹細胞の細胞分裂回数の検討において、c-Myb低発現細胞は細胞分裂が滅多に起こってない事が明らかとなった。これらのことは、c-Myb低発現血液幹細胞は、冬眠状態にあることを示している。同時にdonor由来細胞の分化傾向も調べているが、どの細胞系譜も含まれており、c-myb低発現血液幹細胞は、lineage biasを示さない最も未熟な血液幹細胞分画であることが、示された。 さらに、5-FUによる骨髄抑制を起こした条件下でのマウスでは、c-myb陽性の細胞画分にのみに血液幹細胞活性が観察された。この場合においても、移植細胞からの分化血液細胞において、特定のlineage biasは、観察されなかった。また、発現遺伝子解析からも、c-myb陽性細胞画分は、血液幹細胞画分であることを明確に示した。 これらの結果は、研究提案当時には予想外の結果であり、当初の計画は2年目で完結した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は、2年目で完結し、現在実験結果を、論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞の現象論を記載的に示すことが出来たので、次はこれらの現象を分子レベルで解明する。また、c-Mybは、様々な血液前駆細胞に発現していることから、それらにおいても検討を広げていく。
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Research Products
(1 results)