2014 Fiscal Year Annual Research Report
同種造血幹細胞移植後の効率的免疫寛容の誘導法の開発
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24591425
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷本 光音 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10240805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 嘉信 岡山大学, 大学病院, 講師 (60403474)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | GVHD |
Outline of Annual Research Achievements |
同種造血幹細胞移植は、移植片対白血病効果(GVL)により白血病に治癒をもたらす治療法として確立しているが、致死的合併症である移植片対宿主病(GVHD)は今日なお克服すべき課題である。Programmed cell death1 (PD-1)はT細胞などの免疫担当細胞に発現し、そのligand (PD-L1, PD-L2)によって抑制性のシグナルを細胞に伝えることが知られている。本研究ではマウス慢性GVHDモデルに、最も汎用されるドナーにB10.D2、ホストにBALB/cを使ったマイナー抗原不一致移植マウスモデルを用いた。B10.D2の大腿骨から採取した骨髄細胞からT細胞(CD90+)をautoMACSによって除きT細胞除去骨髄幹細胞(TCD BM 5x106)を用意。B10.D2マウスの脾臓からT細胞(1x106)を採取。レシピエントBALB/cに致死的放射線11Gyで前処置し、ドナー骨髄幹細胞およびT細胞を移植した。PD-L1 の発現を慢性GVHDが発症した皮膚上皮細胞からmRNAを抽出しRT-PCRにて発現を検討した結果、慢性GVHD発症時にはPD-L1の発現が減弱していた。PD-L1のノックアウトしたマウスをレシピエントに用いた場合、GVHDが悪化した。また、慢性GVHDを発症するマウス同種骨髄幹細胞移植モデルを使い、PD-1抗体、PD-L1抗体、PD-L2抗体のいずれの抗体でもin vivoにおいてPD-1経路をblockingすることにより慢性GVHDが増悪する結果を得た。以上から、PDL1を介したGVHD抑制メカニズムが明らかとなった。
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