2012 Fiscal Year Research-status Report
HHIP KOストローマ細胞を用いたドナー由来リンパ球インビトロ増幅法の開発
Project/Area Number |
24591427
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
井山 諭 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50398319)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神原 悠輔 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10624421)
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
小船 雅義 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (90336389)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | リンパ球増幅 |
Research Abstract |
内因性Hedgehog抑制因子( Human Hh-interacting protein, HHIP )低発現ストローマ細胞(HHIP KOストローマ)を用いたTリンパ球産生系の確立を試みた。これまでにHHIP KOストローマが,造血幹細胞からリンパ球への初期分化に重要な役割を果たすであることを示してきたが,本研究においてまず第一に,HHIP KOストローマとと骨髄CD34陽性細胞の共培養を施行した。ストローマ培地に含まれていた血清を取り除き、無血清培地にサイトカイン( IL2,IL7,SCFおよびNotch ligand(Delta-like protein 4; DLL4))を様々な濃度で添加し,CD34陽性細胞20,000個をヒトhTERTストローマ細胞層上に添加した。その結果,約1週間後には骨髄CD34陽性細胞は顕著な増加を示したものの,day14より細胞数が減少し始め,4週後にはさらなる減少が認められた。計5~6週間共培養した後に,リンパ球サブセットの解析をする目的で,フローサイトメトリー法を用いたアッセイを施行した。増幅リンパ球の表面抗原として、CD3、CD4、CD8、CD11b,CD20,CD56を解析することでリンパ球のサブセットを用いた。CD56陽性細胞が3.3%でみられたが,CD3 0.9%,CD4 0.3%の他は,CD8,11b,20に関しては陽性細胞分画を認めなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞の増殖が維持できず,結果分化の誘導にも失敗していると考えている。用いる骨髄CD34陽性細胞数,サイトカイン濃度,サイトカインの組み合わせ等の最適化が出来ていないためと分析している。増幅リンパ球の表面抗原としてのフローサイトメトリー法を用いたアッセイに関しては,CD3、CD4、CD8、CD11b,CD20,CD56については条件の設定等は済んでおり,先に述べた細胞増殖の適正な条件が決定すれば,速やかに施行が可能であると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
用いる骨髄CD34陽性細胞の数や,添加するサイトカインの至適投与量,最適な組み合わせに関しての再検討が必要と考えている。リンパ球増幅が成功した際には,CD3,4,8,11b,20,56の他にもCD4,25,Foxp3といった制御性T細胞分画の検索も検討している。技術的には,増幅リンパ球の表面抗原としてのフローサイトメトリー法を用いたアッセイに関して,すでに条件の設定等は済んでおり,先に述べた細胞増殖の適正な条件が決定すれば,速やかに施行が可能であると考えている。また,別の実験において,制御性T細胞分画の検索する条件は決定しているので,こちらも速やかな検索が可能であると考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
骨髄CD34陽性細胞の購入や,ストローマ専用培地, IL2,IL7,SCFおよびNotch ligand(Delta-like protein 4; DLL4)といった各種サイトカイン,CD3,4,8,11b,20,25,56,Foxp3等の抗体の購入を予定している。また実験計画が順調に進行するようであれば,予定医通りin vivoの解析をマウスのモデルにて遂行する予定である。
|