2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24591439
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
住田 孝之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00183054)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自己抗原 / 自己反応性T細胞 / 自己免疫性唾液腺炎 / ムスカリン作動性アセチルコリン受容体 / T細胞エピトープ / IFN-γ / IL-17 / RORγt |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の先行研究より、M3RペプチドをM3Rノックアウトマウス(M3R-/-)に免疫し、その脾細胞をRag1ノックアウトマウス(Rag1-/-)に細胞を移入し、シェーグレン症候群(SS)類似の唾液腺炎を発症するマウスモデル(M3R誘導唾腺炎、M3R induced sialadeniti, MIS)を樹立した。更に、CD3+T細胞の移入実験により唾液腺炎が誘導されることから、MISにおける自己免疫性唾液腺炎の発症機構は、M3R反応性T細胞により引き起こされていることを明らかにした。 本研究では、MIS発症に関わるサイトカインの同定を試みた。方法は、M3R-/-xIFN-γ-/-およびM3R-/-xIL-17-/-マウスを作成し、M3Rペプチドを免疫した後にその脾細胞をRag1-/-マウスに細胞移入し、唾液腺炎の発症を検討した。その結果、M3R-/-xIFN-/-γ→Rag1-/-マウスおよびM3RxIL-17-/-→Rag1-/-マウスにおいて、それぞれ唾液腺炎の改善が認められた。以上より、MISの発症には、IFN-γおよびIL-17がともに発症に関わっていることが判明した。 次に、MISをモデルとしてM3Rのアナログペプチド(altered peptide ligand, APL)を用いた抗原特異的治療戦略の開発をめざした。その結果、N1-APL5(AA7N→T)、N1-APL6(AA7N→C)、N1-APL(AA7N→S)がIFN―γ産生を、1st-APL8(AA140A→M)がIL-17産生を有意に抑制することが判明した。更に、N1-APL7をMISに投与することにより、唾液腺炎スコアが有意に抑制され、唾液腺量が改善した。以上の結果から、MISにおいて、M3RのAPL投与により自己免疫性唾液腺炎が抗原特異的に制御することが可能であることが判明した。
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Research Products
(9 results)