2013 Fiscal Year Research-status Report
滑膜線維芽細胞の脂肪分化誘導における上皮間葉移行分子機序の解明
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24591448
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉山 英二 広島大学, 大学病院, 教授 (70179167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 聡士 広島大学, 大学病院, 病院助教 (30367388)
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Keywords | 関節リウマチ / 滑膜細胞 / 脂肪分化 / 間葉系幹細胞 / 上皮間葉移行 / サイトカイン / プロテアーゼ / PPAR |
Research Abstract |
滑膜細胞の脂肪分化誘導は滑膜細胞を中心とした関節リウマチの病態の改善に寄与する可能性があると考え、滑膜細胞の脂肪分化のプロセスにおける滑膜細胞活性化、脂肪分化効率、上皮間葉移行の3つの視点から解析を行っている。 <滑膜細胞活性化>網羅的遺伝子発現の検索により、これまでに脂肪分化によってIL-6、マトリックスメタロプロテアーゼの発現低下とともに、接着因子発現の低下の可能性があるも判明した。これらの分子は関節リウマチの病態である、慢性炎症や関節組織破壊に直接関与しているため、滑膜細胞の脂肪分化誘導が病態改善に寄与する可能性を示唆するものである。 <脂肪分化効率>炎症環境下では脂肪分化が抑制される。この現象は本研究のコンセプトを実臨床へ還元するために乗り越えるべき大きな問題である。現在炎症を乗り越えて脂肪分化を誘導できる方法を検討している。この目的の為、天然に存在する脂肪分化誘導能力を有しているコンパウンドAとMの共同研究に着手した。これらのコンパウンドはこれまでの方法同様に滑膜細胞の脂肪分化誘導をもたらす事が判明した。今後、これらのコンパウンドの炎症環境における脂肪分化誘導能力の検証を行う。 <上皮間葉移行>脂肪分化誘導と細胞の分化状況を蛍光免疫細胞染色により解析を継続している。特に細胞骨格の解析では明らかな発現変化が生じており、滑膜細胞の生理学的機能変換の一端の解明につながると考えられる。 以上のように、滑膜細胞を脂肪分化誘導という状態変換の中で、主に遺伝子発現の解析を通じてその効果を確認する作業を積み重ね、いくつかの目標は予定通りに達成されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
滑膜細胞活性化、脂肪分化効率、上皮間葉移行の3つのプラットフォームに沿った研究展開により、いくつかの目的が達成された。滑膜細胞活性化に関しては、接着因子のデータを含めて論文化をおこなった(投稿中)。脂肪分化誘導の効率化に関しては、コンパウンドAとMに関して、他大学との共同研究を進めているが、新たな関節リウマチ治療のシーズとしての可能性も追求する事が可能なポテンシャルがある事を示せたと考えている。上皮間葉移行研究は、蛍光免疫細胞染色の手技が安定してきており、今後確実なアッセイ条件でデータ集積を試みることができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って以下の研究を推進していく。 <滑膜細胞活性化>インターロイキンおよびマトリックスメタロプロテアーゼに関して網羅的な検証が完了している。今後、接着因子に着目した機滑膜細胞能解析を進める。具体的にはマクロファージやリンパ球を用いたAdhesion Assayを行う。滑膜細胞が慢性炎症を引き起こす血液細胞のたまり場としての機能が減弱することを検証する。 <脂肪分化効率>現在入手しているコンパウンドT、A、Mの脂肪分化誘導能力およびサイトカインやプロテアーゼ産生抑制能力を確認する。さらに、既存の関節リウマチ治療薬の中に我々が確立した脂肪分化誘導系を促進する薬剤がないか検証していく。 <上皮間葉移行>間葉系幹細胞の脂肪分化誘導系と滑膜細胞の脂肪分化誘導の相違を捉えることができるかもしれないと考えている。一つ一つの分子を免疫染色により発現量、発現パターンを比較し、滑膜細胞特有の分子発現パターンの特徴を捉える事により、間葉系幹細胞と、滑膜細胞の根源的な差異を見いだしていく事を目指したい。 今後も関節リウマチにおける滑膜細胞を脂肪分化誘導とこれに関わる上記3つの事象に関して、滑膜細胞を用いた細胞生物学的手法による解析を進める。
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[Journal Article] Significant improvement in MRI-proven bone edema managed using the tight control approach.2013
Author(s)
Kita J, Tamai M, Arima K, Kawashiri SY, Horai Y, Iwamoto N, Okada A, Koga T, Nakashima Y, Suzuki T, Yamasaki S, Nakamura H, Origuchi T, Ida H, Aoyagi K, Uetani M, Eguchi K, Kawakami A.
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Journal Title
Mod Rheumatol.
Volume: 23
Pages: 254-9
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Musculoskeletal ultrasonography assists the diagnostic performance of the 2010 classification criteria for rheumatoid arthritis.2013
Author(s)
Kawashiri SY, Suzuki T, Okada A, Yamasaki S, Tamai M, Nakamura H, Origuchi T, Mizokami A, Uetani M, Aoyagi K, Eguchi K, Kawakami A.
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Journal Title
Mod Rheumatol.
Volume: 23
Pages: 36-43
DOI
Peer Reviewed
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