2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト化(NOG)マウスにおけるEBV感染ビラン性関節炎モデルの検討
Project/Area Number |
24591457
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
武井 正美 日本大学, 医学部, 准教授 (30179600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白岩 秀隆 日本大学, 医学部, 助教 (20451338)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / Epstein-Barrウイルス / ビラン性関節炎 / ヒト免役化マウス / NOGマウス / 治療実験 |
Research Abstract |
A. 目標: ヒト免疫機構を有するNOD-SCIDマウスを簡便に作製する条件を検討する:市販のCD34細胞をNOGマウスに移植し、ヒト免役化マウスを安定して作製する目処がついた。Epstein-Barr ウイルス感染後の末梢CD4、CD8T細胞の動きから、最も関節炎の強く起こる時期を類推する事が可能となった。現在、3DCTによる画像解析を施工中で、血清中の自己抗体の測定も平行して行っている。B .目標: ヒト免疫化NOGマウスのEBVの感染成立後のウイルス学的検索:国立病院機構生育医療センターの藤原成悦母児感染部部長との共同で臍帯血CD34移植NOGマウスのEBV感染の検討も行い、real time PCRでのウイルス量の定量と関節滑膜炎の発症に相関がない事が判明し、マーカーには不適であることが解った。滑膜組織や骨髄のEBVの感染をEBER-1 in situ hybridizationで特定し、ウイルス量の定量をreal time PCRで行い、骨髄でのEBV量と滑膜炎の活動性に相関がある可能性を得た。C. 目標:モデルマウスのRAの関節画像診断、自己抗体の検出:NOD-SCID(NOG) のヒト骨髄移植によるヒト免疫化を計り、ヒト抗核抗体、リウマトイド因子、抗CCP抗体、MMP-3を測定と3次元CTなどによる早期のRA関節変化の検出を現在行っているが結果は出ていない。D. 目標:ヒト免疫化NOGマウスのSAPの動向やEBVの感染制御を検討する。:SAPmRNAの発現の検討は、現在、パルサー法の開発を行い、この方法で測定を行う予定となっている。EBV特異的細胞傷害性T細胞の陽性率はテトラマーアッセイを使用してFACS解析により細胞障害性T細胞の陽性率を測定する予定だあったが、準備したテトラマーとHLAの型が一致したCD34の移植がされておらず達成できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
市販CD34細胞を用いたヒト免疫化マウスの作製は安定してできるようになったが、SAPmRNAの発現の検討は、現在、パルサー法の開発を行い、この方法で測定を行う予定となっている。EBV特異的細胞傷害性T細胞の陽性率はテトラマーアッセイを使用してFACS解析により細胞障害性T細胞の陽性率を測定する予定だあったが、準備したテトラマーとHLAの型が一致したCD34の移植がされておらず達成できていない。 条件設定に時間がかかり自己抗体の測定、SAP遺伝子の発現、細胞障害性T細胞の測定は時間が間に合わず困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
安定した関節炎モデルの条件の設定が終了した。治療介入実験に入る前の基礎的な条件は今年度で達成できたため、引き続きバイオマーカーの検索を行い、画像診断による解析を行い、治療介入によりこれらのマーカーの動きを測定する。最終的に関節炎の発症率を治療介入により解析する。 A. 目標:新規抗リウマチ療法の開発の検討: 問題点:ヒト免疫化NOD-SCID(NOG)マウスのEBV感染によるビラン性関節炎モデルがヒトRAと同じ関節炎を発症するか、まだ、未知である。解決策:ヒト免疫系を持つビラン性関節炎モデルマウスであるため、少なくともRAの初期の関節炎の病態を有している可能性は高い。RA初期関節炎に対する効能を検討することで新規の治療法の開発の糸口となる。 ①(研究項目)「SAP作用の調節薬の開発」:SAPmRNAの発現はRA末梢T細胞で低下していることを報告している(Int Immunol13,559,2001)。この現象の原因を追求し、EBVに対する感染制御を改善する方法を検討する。 B. 目標:モデルマウスでの抗リウマチ薬の効果: 問題点:ヒト免疫化NOD-SCID(NOG)マウスへの抗リウマチ薬の投与の量や方法が未知の要素が多い。解決策:使用する抗リウマチ薬が、他のマウスで検討されたデータを元に投与を行う。 ①(研究項目)「RA関節変化の検出」:レントゲンによる画像診断で関節の破壊の程度を検討する。②(研究項目)「RAの活動性に関連する自己抗体などの検出」:リウマトイド因子、抗CCP抗体、MMP-3をELISAで測定する。炎症の程度はマウスのCRPの測定を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度と同様にマウスの購入費と画像解析を含むバイオマーカーに必要な単クローン性抗体などに研究費を使用する。・設備備品は現存のもので賄うことができるが、消耗品費は研究の推進には必要不可欠な出費で、特にマウスの購入に次年度以降で約40匹を予定している。その経費が総額約70万を要し、その他、消耗品や臨床検査委託費などの直接経費で約130万となり、妥当な額と考える。
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