2013 Fiscal Year Research-status Report
アレルギー疾患に対するPHF11分子の機能解析とIgE抗体産生特異的調節法の開発
Project/Area Number |
24591460
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
有馬 雅史 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00202763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳久 剛史 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20134364)
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Keywords | PHF11 / IgE / Allergy |
Research Abstract |
アレルギー性疾患に関連した遺伝子として新たに同定されたPHF11のIgE抗体産生に対する役割を解明するために、PHF11トランスジェニックマウスを用いて解析を行った。すでにH24年度は以下の研究成果を得ている。PHF11の過剰発現により(1)In vitroで活性化した脾臓由来の成熟B細胞のIgE産生が増加する。(2)活性化B細胞においてIgEクラススイッチに必須であるgermline C epsilon の発現が増強する。また、PHF11はNF-kB と強調してgermline C epsilon のプロモーター活性を調節する可能性を示唆している。さらに、H25年度は、IgE抗体産生に対するPHF11の生理的な作用を明らかにするために、In vitroで、抗IgM抗体、抗CD40抗体およびIL-4の存在下で活性化した野生型マウスの脾臓由来の成熟B細胞に対し、siRNAを用いてPHF11遺伝子をノックダウンした。その結果、IgE特異的に産生およびgermline C epsilon の発現が抑制された。次にPHF11のアレルギー疾患の病態に対する影響を明らかにするために、アレルギー性鼻炎モデルを用いて以下の解析を行った。まず、卵白アルブミン(OVA)/Alum腹腔内感作後にOVAを一日一回7日間連続して鼻腔内チャレンジした後、OVA特異的IgG1およびIgEを測定した。その結果、PHF11トランスジェニックマウスは野生型マウスと比べてIgE抗体価が増加した。さらに、くしゃみや鼻掻きなどの鼻症状が有意に増加した。以上の結果は、PHF11がIgE抗体産生促進を介してアレルギー性疾患の病態に重要な役割を果たしていることを示しており、引き続きPHF11の役割を明らかにすることによって、アレルギー性疾患の新規診断法や根治療法の開発へと道が拓かれると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度の研究計画はPHF11の生理的機能およびアレルギー性疾患における役割について解析を計画した。その解析結果はアレルギーの病態における本質である抗体産生に対してPHF11が極めて重要な役割を果たすことが示された。但し、平成25年度は、PHF11トランスジェニックマウスの十分な供給が困難であったため、当初予定された高親和性IgE抗体の産生に対するPHF11の役割を解析が実施されなかった。よって当該年度の目的の達成は不十分でやや遅れていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、IgEクラススイッチにはIgMからのダイレクトスイッチと胚中心由来のIgG1を介したシークエンシャルスイッチが存在し、高親和性IgE抗体には後者のスイッチ機構が関与すると考えられている。そこで、H24年度の研究に引き継き、IgE産生に対するPHF11の機能意義をさらに解析するために、まず(1)野生型およびPHF11トランスジェニックマウスについて、in vitroで活性化させた脾臓IgG1陽性B細胞および、OVA/Alumで腹腔内感作した後の脾臓由来IgG1陽性B細胞をセルソーターでそれぞれ純化回収する。その後、これらのB細胞をin vitoでIL-4の存在下で培養し、シークエンシャルスイッチによるIgE抗体の産生についてFACSおよびELISAにより詳細に解析する。さらに(2)生体内における高親和性IgE抗体産生に対するPHF11の役割を明らかにするために、前述したOVA鼻炎モデルのOVAチャレンジ後の血清について、OVAに対する高親和性IgE抗体の産生を解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
PHF11トランスジェニックマウスは一回の妊娠で出産マウス数が野生型と比べて極めて少ないため、解析に使用する十分なマウスの供給が困難であった。そのため高親和性IgE抗体の産生に対するPHF11の機能的関連に関する研究はH25年度から次年度に延期となった。 H25年度に同研究に割り当て予定とした研究費(600,000円)をH26年度に請求した研究費と合わせて研究に使用する。実験に使用するPHF11トランスジェニックマウスを確保するため、H26年度はマウスの大量飼育する方針で、H25年度分の600,000円は主にマウスの飼育費用に優先的に割り当て、その他に高親和性IgE抗体の解析関連試薬や器具およびIgEクラススイッチに関与するゲノム解析用試薬および関連器具の購入に使用する予定である。
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[Journal Article] Leukotriene (LT)C4 aggravates bleomycin-induced pulmonary fibrosis in mice2013
Author(s)
45. Hirata, H., Arima, M., Fukushima, Y., Sugiyama, K., Tokuhisa, T. and Fukuda, T.
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Journal Title
Respirology
Volume: 18
Pages: 674-681
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Wasp venom allergy: effect of anti-IgE antibody on wasp venom anaphylaxis in a mouse model2013
Author(s)
46. Ikeno, Y., Hirata, H., Arima, M., Hayashi, Y., Watanabe, M., Yoshida, N., Chibana, K., Sugiyama, K., Fukushima, Y., Akutsu, I. and Fukuda, T.
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Journal Title
Asian Pac. J Allergy Immunol.
Volume: 31
Pages: 115-124
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Lack of both α2-antiplasmin and plasminogen activator inhibitor type-1 induces high IgE production2013
Author(s)
47. Okada, K., Ueshima, S., Kawao, N., Yano, M., Tamura, Y., Tanaka, M., Sakamoto, A., Hatano, M., Arima, M., Miyata, S., Nagai, N., Tokuhisa, T. and Matsuo, O.
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Journal Title
Life Sci.
Volume: 93
Pages: 89-95
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Monoclonal Antibody against IL-5 Receptor Alpha, but Not IL-5, Inhibits Airway Hyperresponsiveness Associated with Airway Remodeling2013
Author(s)
48. Obara, K., Sugiyama, K., Hirata, H., Kikkawa, Y., Sakio, H., Arima, M., Fukushima, Y. and Fukuda T.
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Journal Title
Int. Med. J.
Volume: 20
Pages: 579-583
Peer Reviewed
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