2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト制御性T細胞および免疫抑制系樹状細胞の効率良い誘導法の確立と治療への展開
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24591464
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
長谷川 均 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40164826)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 寛容型樹状細胞 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
近年免疫寛容樹状細胞(tDCs)が注目されており、自己免疫,移植免疫において免疫寛容を導き、細胞治療への応用が期待されている。生理活性脂質、核内受容体リガンド、キナーゼ阻害剤ライブラリーからのスクリーニングから、tDCsを誘導する物質として、Cキナーゼ阻害剤(PKCI)を得た。PKCIにて誘導した樹状細胞(PKCI-DCs)の特徴を報告する。【材料と方法】末梢血CD14陽性細胞から、GM-CSF,IL-4を加え、5日間培養にて未熟DCsを作成し、さらに2日間、TNF-α,IL-1β,PGE2の成熟誘導カクテルを加えて成熟DCsを誘導した。その成熟過程においてPKCIを加え、tDCsを誘導した【結果】PKCI-DCsの表面マーカーはCD40,CD80,CD83,CD86,MHC class Iの発現は低下していたが、CD1a, CD11c, MHC class IIの発現は比較的保たれていた。また、CCR7の発現も比較的高く、二次リンパ組織への遊走能は維持されていた。サイトカイン産生では、IL-10とTGF-betaが著しく増加していた。さらに、PKCI-DCsと共培養したT細胞は増殖能が低下しており、またIL-10,Foxp3の発現細胞が有意に増加していた。また、炎症環境下において、PKCI-DCsは安定であった。機序に関しては、PKCI存在下ではNF-kappaBの発現の低下と細胞内cAMPの上昇が認められ、tDCsが誘導されることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Cキナーゼ阻害剤を用いた安定性のあるヒト免疫寛容樹状細胞の作製に成功した。また、この機序に関しても解析できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)Clinical gradeで、一長一短のあるIL-10,TGF-beta,DEX,ラパマイシンで誘導した免疫寛容樹状細胞(tDCs)とCキナーゼ阻害剤で誘導したtDCs(PKCI-tDCs)の比較を行い、実際臨床応用が可能かどうか検討する。2)GVHDモデルマウスを用いて、PKCI-tDCsのin vivoでの効果を検討する。3)PR3-ANCA関連血管炎およびシェーグレン症候群の患者から、PR3-ANCAおよびM3Rに対する抗原特異的制御性T細胞の作成を行う予定である。4)免疫抑制系DCへ分化誘導を促進させる物質を数多く単離している。それらのうち、2,3の物質を解析する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画書の通りに、研究費を使用し、研究を遂行していく予定である。
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Research Products
(3 results)