• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

気道上皮細胞を介した喘息発症機序の解明

Research Project

Project/Area Number 24591467
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

鈴木 章一  佐賀大学, 医学部, 助教 (40253695)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 出原 賢治  佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsペルオキシダーゼ / ヒポチオシアン酸イオン / 喘息
Research Abstract

申請書実験計画に基づき、今年度は主に気道上皮細胞に対するヒポチオシアン酸イオン(OSCN-)の作用を解析を行った。細胞にはNCI-H292気道上皮細胞株を用い、OSCN-を産生させるためにこの培養液にグルコースオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ並びにチオシアネートイオンを添加した。OSCN-刺激5時間後、細胞を回収し核抽出液を調製してNF-kbの活性化の状態をEMSA法で解析したところ、NF-kbが活性化されていることが確認された。このNF-kbの構成因子を明らかにするために各種抗体を用いたスーパーシフトアッセイを用いて解析したところp50のホモダイマ-であり、p52、RelA、RelBやc-Relといった他の因子は含まれていないことがわかった。次にOSCN-によるNF-kbの活性化に関与するシグナル伝達経路を知る目的で、c-jun N-terminal kinase、Extracellular Signal-regulated Kinase、protein kinaseA(PKA)等の主要シグナル伝達経路因子の阻害剤を培養液に添加しOSCN-で刺激後、NF-kbの活性化状態を解析したところPKAの阻害剤によりOSCN-によるNF-kbの活性化が抑制されることがわかった。PKAは酸化ストレスにより活性化されるとS-S 結合によりホモダイマ-を形成することが知られているので、OSCN-刺激後ウェスタンブロット法によりPKAの状態を解析したところ、無刺激ではモノマーであったが、刺激後はホモダイマ-を形成していることがわかった。この結果は喘息の病態形成にPKAが関与している可能性を強く示唆しており、喘息治療薬の開発に有用な知見である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定ではヒポチオシアン酸イオンにより活性化されるNF-kbの構成因子の同定までであったが、これに関わるシグナル伝達分子の同定まですることができた。
IL-13気管内投与による喘息モデルマウスを用いてヒポチオシアン酸イオンの喘息因子としての作用を示す実験に関しては、IL-13の濃度や気管内投与の回数など、このモデルの作製に必要な予備検討に時間がかかったため遅れている。

Strategy for Future Research Activity

当初の予定通り今後はヒポチオシアン酸イオン(OSCN-)を産生しうるヘム型ペルオキシダーゼ、すなわちミエロペルオキシダーゼ(MPO)、好酸球ペルオキシダーゼ(EPO)、並びにラクトペルオキシダーゼ(LPO)のうち、どのヘム型ペルオキシダーゼが最も喘息の病態形成に関与しているのかをそれぞれのヘム型ペルオキシダーゼ欠損マウスを用いて明らかにする。MPOとEPOの欠損マウスは既に入手しており使用可能な状態であるが、LPO欠損マウスに関しては独自に作製し、喘息モデルマウスに適したBALB/Cマウスにバッククロスしている段階である。順調に交配が進めば平成25年度中には実験に使用できるので、それぞれのマウスに卵白アルブミンを用いて喘息を誘導し、気道過敏性、炎症細胞浸潤、肺における各種サイトカインの発現量、粘液(ムチン)産生量、杯細胞過形成を調べ、野生型マウスの病態の程度と比較する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は主に各種ヘム型ペルオキシダーゼ欠損マウスを用いた喘息モデルマウスの作製とその病態解析に使用する予定である。
具体的には喘息モデルマウス作成費用として卵白アルブミンとALUM、病態解析費用として遺伝子工学用試薬、炎症細胞浸潤解析用抗体、細胞生物学実験試薬を計上している。
(B-A)は該当なし

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 分子生命科学講座分子医化学分野ホームページ

    • URL

      http://www.biomol.med.saga-u.ac.jp/medbiochem/research.html

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi