• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

気道上皮細胞を介した喘息発症機序の解明

Research Project

Project/Area Number 24591467
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

鈴木 章一  佐賀大学, 医学部, 助教 (40253695)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 出原 賢治  佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
Keywordsペルオキシダーゼ / 喘息 / ヒポチオシアン酸イオン
Research Abstract

申請書実験計画に基づき、今年度も引き続き主に気道上皮細胞に対するヒポチオシアン酸イオン(OSCN-)の作用を解析した。細胞にはNCI-H292気道上皮細胞株を用いた。OSCN-で細胞を刺激するために、培養液にグルコースオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ(LPO)並びにチオシアネートイオンを添加してOSCN-を生成させ、LPOの濃度を変えることでOSCN-の生成量を調節した。低濃度のOSCN-で刺激した場合は、昨年報告したようにNF-kbが活性化されたが、高濃度のOSCN-で刺激した場合には細胞死が観察された。この細胞死の様式をフローサイトメトリーを用いて詳細に解析したところ、高濃度のOSCN-はネクローシスを誘導し、アポトーシスは誘導しないことが明らかとなった。さらに、喘息病態形成との関連性で注目されているIL-33がネクローシスに伴い細胞内から細胞外へ放出されるのではないかと考え、この可能性をELISAにより調べたところ、OSCN-でネクローシスを起こした細胞の培養液中には確かにIL-33が存在することを見いだした。以上の結果より、高濃度のOSCN-は気道上皮細胞のネクローシスを誘導し、細胞内IL-33を細胞外へ放出させることで喘息病態を増悪させている可能性が強く示唆されると共に、OSCN-を産生するヘム型ペルオキシダーゼの発現量や酵素活性の強さが気道炎症の強さに反映されるという我々の仮説が支持された。現在この仮説を確認するために喘息肺に存在する3種のヘム型ペルオキシダーゼ、すなわちミエロペルオキシダーゼ(MPO)、好酸球ペルオキシダーゼ(EPO)、及びラクトペルオキシダーゼ(LPO)の関与をそれぞれの欠損マウスを用いて解析している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

LPO欠損マウスを喘息マウスモデルに適したBALB/Cマウスに戻し交配するために若干時間がかかり、予定より喘息マウスモデルを用いた実験が遅れているが、ヒポチオシアン酸の新たな作用として気道上皮細胞のネクローシスを誘導しIL-33を細胞外へ放出させるという重要な知見を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

喘息モデルに適したBALB/Cマウスに完全に戻し交配したマウスを用いて今年度も引き続き喘息肺に存在するMPO,EPO,LPOのうち、どのヘム型ペルオキシダーゼが最も喘息の病態形成に関与しているのかをそれぞれのヘム型ペルオキシダーゼ欠損マウスを用いて明らかにする。具体的にはそれぞれのマウスに卵白アルブミンを用いて喘息を誘導し、気道過敏性、炎症細胞浸潤、肺における各種サイトカインの発現量、粘液(ムチン)産生量、杯細胞過形成を調べ、野生型マウスの病態の程度と比較する。

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi