2013 Fiscal Year Research-status Report
走化性を示す細胞が走る向きを決める仕組みを解き明かす。
Project/Area Number |
24591473
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
山内 明 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80372431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗林 太 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60251443)
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Keywords | FPR1-PAFRキメラ遺伝子 / FPR1 / PAFR / 好中球 / 細胞走化性 / GPCR / 炎症 / 脂質メディエーター |
Research Abstract |
好中球などの炎症細胞は炎症性疾患で活性化し、微生物を排除する一方で宿主の組織を破壊し症状悪化にも働く。我々は炎症細胞の機能を評価するために細胞動態解析装置を開発しその機能を評価する系を構築してきた(J Immunol Methods, 320, 155-163, 2007)。その中で、好中球は細菌由来のホルミルペプチドfMLPへの遊走と、内在性の脂質メディエータ(血小板活性化因子PAF)への遊走ではパターンが異なることを見いだし、炎症惹起のメカニズム解明の糸口を見いだしてきた。本研究では、fMLPおよびPAFへの遊走パターンの違いを検証し、それらの受容体および受容体以降の異なる情報伝達因子の同定を目指している。 1年目から2年目にかけて(平成24、25年度)に、fMLPとPAFではどちらの細胞走化性惹起作用が強くでるのかを検証し、共存した場合fMLPがPAFよりも強い走化性惹起作用を起こすことを見いだし、報告した(J Immunol Methods, 404, 59-70, 2014)。また好中球だけでなく別の炎症細胞であるマクロファージ系細胞の走化性についても報告した(J Immunol Methods, 393, 61-69, 2013)。次に、fMLP受容体(FPR1)とPAF受容体(PAFR)の細胞内情報伝達の違いを解析するために、これらのキメラ遺伝子のコンストラクトを作成した。これらの遺伝子(FPR1、PAFR、およびこれらのキメラ)を骨髄系細胞株およびリンパ系細胞株に遺伝子導入して発現させ、走化性などの細胞機能を解析する系を確立した。また、導入する遺伝子について、後の細胞内因子の探索のために6xHisタグを付加する改良を行った。これらの細胞株を用いてfMLP, PAFに対する走化性パターンの違いを解析することを試みた。現在、詳細に解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度中にfMLP受容体(FPR1)、PAF受容体(PAFR)およびこれらのキメラ遺伝子を発現させた細胞を用いて、遊走パターンの解析および細胞内伝達因子の探索を行う予定であった。しかしながら、fMLPとPAFの走化性惹起作用を確認し詳細に比較する作業、さらにマクロファージの遊走をチェックする作業、そしてこれら論文に報告(J Immunol Methods, 404, 59-70, 2014および J Immunol Methods, 393, 61-69, 2013)する作業を追加した。また、導入遺伝子を改良し細胞内因子の探索のために6xHisタグを付加する作業を行った。これらために、細胞内情報伝達因子の探索・同定の作業が遅延し、完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、これまで作成した6xHisタグを付加したFPR1、PAFRおよびこれらのキメラ遺伝子をつかって、細胞内情報伝達因子の同定を早急に進めていきたい。これら遺伝子を導入した細胞株をfMLPまたはPAFにて刺激後、可溶化してそれぞれの抗受容体抗体を用いて免疫沈降により結合タンパク質を取得する。得られたタンパク質は高速液体クロマトグラフ質量分析計を用いて検出する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度で行う予定であったFPR1およびPAFR細胞内領域に結合するタンパク質の違いの探索に遅れが生じたため、消耗品類を購入することがなかった。そのために次年度使用額が生じた。 前年度までの実績を踏まえ、FPR1およびPAFR細胞内領域に結合するタンパク質の違いの探索を早急に進めるとともに、平成26年度施行予定のリン酸化タンパク質の探索も合わせて行う。申請時の予定通り、消耗品、旅費などに使用させていただきたい。
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Research Products
(8 results)