2012 Fiscal Year Research-status Report
全ゲノムシーケンスによるMAC菌分子疫学の確立と環境感染に関する病原遺伝子の探索
Project/Area Number |
24591479
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 穣 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80362482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三嶋 理晃 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60190625)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 感染疫学 / 病原性 |
Research Abstract |
高頻度土壌暴露のある肺MAC症患者6人から分離されたMAC菌がその患者の自宅土壌からのMAC菌とVNTR遺伝子型で一致し、環境土壌がMACの感染源として示唆されたことについて論文報告を行った(Clin Microbiol Infect 2013;19:537)。さらに、同一の肺MAC症患者から分離された複数のMAC菌のVNTR遺伝子型を新たに調べたところ、異なる型をもつ多クローン感染者では土壌含む環境暴露が有意に多いこと示し(American Thoracic Society 2013 international conference発表予定、Am J Crit Care Respir Med, in revision.)、治療の有無に関わらず、再排菌を含む感染持続と環境暴露が有意に関連していることを示した(IDWeek meeting 2012で発表. manuscript in preparation.)。これらのことから、肺MAC症患者は発症後も環境から感染を繰り返しており、患者から分離されてくるMAC菌の中には無治療でも菌交代して検出されなくなる菌と治療後も持続感染する菌があることが判明した。前者のヒト病原性は低く、後者は高いと考えられるため、この両群間で既知のMAC病原遺伝子であるfibronectin-attachment protein、Ag-85 complex (A,B,C)、MPA51について、PCR法にてその有無を確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肺MAC症患者の中に多クローン感染者と単クローン感染者が含まれ、患者から分離される菌の中には一過性の感染し消失していくものと持続感染しているものとに分けられることが新たに判明したため、まず患者由来菌をこの2群にわけて病原遺伝子を比較することへと計画変更した。当初の患者由来菌と土壌由来菌とを比較して病原遺伝子の保有率を求める結果がまだ示されておらず、達成度はやや遅れているが、新たに多クローン感染の視点での研究の発展が得られ、これに関する学会発表、論文作成については順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
患者由来菌の中で一過性の感染し消失していくものと持続感染しているものとの間に差異のある病原遺伝子の検索に努める。肺MAC症患者は環境から繰り返し感染していると考えられることから、環境由来菌にも病原性の異なる種々のMAC菌が含まれると考えられ、これを病原遺伝子の視点から確認していく。この病原遺伝子とVNTR遺伝子型との関連を明らかにする。引き続いて、全ゲノム解析による病原遺伝子検索を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
VNTR、既知の病原遺伝子に対するPCRに関する試薬購入と、前年度に全ゲノムシーケンスを行わなかったために繰り越した研究費を次年度に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)