2013 Fiscal Year Research-status Report
全ゲノムシーケンスによるMAC菌分子疫学の確立と環境感染に関する病原遺伝子の探索
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24591479
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 穣 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80362482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三嶋 理晃 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60190625)
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Keywords | 感染疫学 / 病原性 |
Research Abstract |
肺MAC症患者から分離された複数のMAC菌のVNTR遺伝子型を新たに調べたところ、異なる型をもつ多クローン感染者および複数菌感染では土壌、水などの環境暴露が有意に多いこと示した(Ann Am Thorac Soc. 2014;11:45-53.)。高頻度土壌暴露は、画像所見などと独立して治療後再発および排菌持続と再発を含む治療失敗に関連することを示した(BMC infect dis, in revision)。また、無治療でも排菌停止する患者と持続排菌する患者があり、高頻度土壌暴露が持続排菌と関連することを示した(ATS 2013 international conferenceで発表)。これらのことから、肺MAC症患者は発症後も環境から感染を繰り返しており、患者から分離されてくるMAC菌の中には無治療でも菌交代して検出されなくなる菌と治療後も持続感染する菌があることが判明した。病原性として菌の持つバイオフィルム形成能について着目し、バイオフィルムアッセイと関連遺伝子としてnrp, sucA, pcd, gtf, guaB2, ccsA, accA2, accD2. pks10, pmmB,ltp3について検索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺MAC症患者の中に多クローン感染者と単クローン感染者が含まれ、患者から分離される菌の中には一過性の感染し消失していくものと持続感染しているものとに分けられることが判明し、これらが環境暴露と関連性を示すことについてすでに論文発表をした。気道への一時的な定着と持続感染の差異として、菌病原因子としてバイオフィルムに着目して検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
患者由来菌の中で一過性の感染し消失していくものと持続感染しているものとの間に差異のある病原遺伝子の検索に努める。肺MAC症患者は環境から繰り返し感染していると考えられることから、環境由来菌にも病原性の異なる種々のMAC菌が含まれると考えられ、これを病原遺伝子の視点から確認していく。この病原遺伝子とVNTR遺伝子型との関連を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定した旅費、人件費・謝金を使用していないため 人件費・謝金に計上していた予算はゲノム解析を含む物品費に使用する予定である
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Research Products
(4 results)