2012 Fiscal Year Research-status Report
サイトメガロウイルス感染症に対する新規抗ウイルス剤の分子基盤の解明
Project/Area Number |
24591492
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
村山 次哉 北陸大学, 薬学部, 教授 (60159184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定成 秀貴 北陸大学, 北陸大学・薬学部, 助教 (60121274)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | サイトメガロウイルス / トリシン / 抗ウイルス薬 |
Research Abstract |
研究計画:ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染細胞に対するトリシン(4’, 5, 7-trihydroxy- 3’, 5’- dimethoxyflavone)の作用に関連する遺伝子・転写産物を網羅的に解析して、その候補分子とトリシン作用との関連性を検証する。 H24年度の成果:1、ヒト胎児肺線維芽細胞(HEL)にHCMVを感染させ、トリシン濃度0.1-1.0-10 マイクロモルとの共培養を行い、経時的(感染後4-8-24-48-72時間)に細胞RNAを抽出し、逆転写酵素を用いcDNA合成を行った。 2、ヒトおよびHCMV遺伝子を搭載したDNAチップ(アジレント社製特別発注品)を用いて、感染初期から後期における宿主細胞由来およびウイルス由来の遺伝子の発現変動を網羅的に解析し、対照(未感染細胞)と比較して4倍以上に発現上昇や発現低下した遺伝子を選定し、宿主細胞由来とウイルス由来別に抽出してクラスター分析を細胞毎に行い、さらにRT- PCR法にて選定遺伝子を定量した。その結果、興味あるいくつかのサイトカイン遺伝子が有意な変動を示すことが確認された。 3、発現上昇が見られた宿主細胞由来のサイトカイン遺伝子を抑制するために、siRNAの遺伝子導入により遺伝子ノックダウンした細胞を用いてトリシンの作用を検討したところ、その作用が抑制されたことから、少なくともあるサイトカインがトリシンの抗ウイルス作用に関係している事が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNAチップを用いた宿主細胞由来およびウイルス由来の遺伝子の発現変動の網羅的な解析、siRNAの選定および遺伝子導入等が比較的順調に進んだため、今年度は研究計画に沿っておおむね順調に進展する事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1、H24年度に引き続き、HCMV感染およびトリシン処理により変動した複数の宿主細胞由来サイトカイン遺伝子の検証を行い、さらにsiRNAによる目的遺伝子のノックダウン、トリシンに対する反応性等を確認・精査する。 2、トリシン反応関連遺伝子が確認・同定できたら、細胞内シグナル伝達経路について解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究遂行に必要な物品費および研究成果発表に伴う旅費や論文作成に伴う経費等に使用する。
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Research Products
(12 results)