2013 Fiscal Year Research-status Report
サイトメガロウイルス感染症に対する新規抗ウイルス剤の分子基盤の解明
Project/Area Number |
24591492
|
Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
村山 次哉 北陸大学, 薬学部, 教授 (60159184)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定成 秀貴 北陸大学, 薬学部, 助教 (60121274)
|
Keywords | サイトメガロウイルス / トリシン / 抗ウイルス薬 / ケモカイン / siRNA |
Research Abstract |
研究計画:ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染細胞に対するトリシン(4', 5, 7-trihydroxy-3', 5' -dimethoxyflavone) の作用に関連するマイクロRNA(miRNA)を網羅的に解析して、その候補分子とトリシン作用との関連性を検証する。 H25年度の成果:1、H24年度に引き続き、HCMV感染及びトリシン処理により変動する宿主由来ケモカイン遺伝子の検証を行い、RT-PCR法により対象遺伝子発現の定量を行った。その結果、昨年度とは別の新たなケモカインを見出し、HCMVの感染価に依存した遺伝子発現の増強、HCMV感染により増強した遺伝子発現がトリシン処理により用量依存的に抑制される事を明らかにした。 2、この2つ目の新たなケモカインとHCMV増殖との関係を明らかにするために、siRNAにより遺伝子ノックダウンした宿主細胞を用いてHCMV増殖を検討した結果、その増殖がsiRNAの量に依存して抑制された。 3、この新たなケモカインsiRNAによるHCMV増殖の抑制は、リガンドを添加する事により回復した。 以上の事から、トリシンの抗HCMV作用機序の1つとして、この新たな2つ目のケモカインが関与している可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HCMV感染およびトリシン処理により変動する宿主由来ケモカイン遺伝子の確認と検証、さらにこのケモカイン分子のsiRNAによる遺伝子ノックダウン細胞による新たなケモカインの検索と検討が比較的順調に進んだために、ある程度の成果をあげる事ができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
1、HCMV感染およびトリシン処理に対して応答し、トリシンの抗ウイルス作用機序の1つのターゲット分子としての可能性がある2つ目のケモカインを見出す事ができたので、このケモカインがHCMV感染・増殖にどのようにかかわっているのかを、更に明らかにして行く必要がある。そのため、当初のH26年度の研究実施計画を変更しなければならない可能性が出てきた。 2、今後の方向性としては、HCMV感染およびトリシン処理に対して応答するこれらのケモカイン分子の遺伝子応答を明らかにするために、細胞内シグナル伝達経路について解析して行く予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の計画として、当初国際学会での発表を予定してしていたが、スケジュールの調製がつかず参加・発表する事ができなかった。また、初年度とH25年度に渡り予定していたDNAチップを用いた、遺伝子の発現変動の網羅的な解析研究が、初年度に順調に進み当初の予定の研究成果を得る事ができた。以上のことから、次年度使用予定の予算額が生じた。 最終年度の研究遂行に必要な物品費(特に、細胞内シグナル伝達の解析研究のための試薬や抗体)および研究成果発表に伴う旅費や論文作成に伴う経費等に使用する。
|
Research Products
(10 results)