2013 Fiscal Year Research-status Report
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24591494
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
山田 作夫 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (00122458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大毛 宏喜 広島大学, 大学病院, 教授 (70379874)
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Keywords | 芽胞 / 二酸化塩素 / 次亜塩素酸ナトリウム / Bacillus subtilis / Bacillus cereus / 走査型電子顕微鏡 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
芽胞は一般的な消毒薬に抵抗性を示すが、二酸化塩素は、芽胞に対する有用性も期待されていることから、二酸化塩素の抗芽胞作用について細菌学的ならびに超微形態的に追求してきた。その結果、二酸化塩素はBacillus subtilis芽胞に対してのみならず、常用量(0.01%)以上で強い抗B. cereus芽胞効果を示し、その効果は次亜塩素酸ナトリウム(Na)よりも強いことが明らかとなった。そこで、本年度では、両消毒薬の抗B. cereus芽胞作用における標的部位について走査型電子顕微鏡(SEM)ならびに透過型電子顕微鏡(TEM)による超微形態解析により追究した。その結果、0.01%(常用量)の二酸化塩素で5分処理した菌体をSEM観察すると、残存生菌数は減少したにもかかわらず、顕著な形態変化は認められなかった。そのため、同処理菌をTEM観察したが、エキソスポリウムへのわずかな超微形態変化以外に大きな異常は観察できなかった。一方、次亜塩素酸Naにより残存生菌数が減少する条件である 0.2%あるいは0.4%で5分処理すると、B. cereus芽胞表面が波状化をきたす像がSEMにて観察され、さらにTEM観察すると、芽胞殻の一部が断裂化して皮層から解離し、エキソスポリウムは部分的にしか存在しないという顕著な超微形態変化が観察された。そこで、二酸化塩素処理芽胞を新たな培地に接種後、5時間培養して得られた菌体をSEMにて観察したところ、未処理芽胞では発芽にいたる芽胞が観察できたのに比べ、処理芽胞では発芽は全く観察されなかった。これらの結果から、二酸化塩素はB. subtilis芽胞のみならずB. cereus芽胞に対しても、構造上の顕著な障害を惹起しないが発芽を阻害することが判明し、次亜塩素酸Naの芽胞殻への直接的な障害作用とは全く異なることが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度の本研究では,従来の二酸化塩素の抗芽胞作用についてB. subtilis芽胞を対象にした解析結果を基に, B. subtilisに加えてB. cereus芽胞に対する二酸化塩素の効果を超微形態的検討により明らかにする点については、順調に解明が進展した。さらに、対照消毒薬としている次亜塩素酸Naは芽胞に対して、ユニークな作用メカニズムを示唆する結果が得られつつある。しかしながら一方では、残存性菌数を算定して消毒薬の有効性を把握するためには、データがばらつくために何度も繰り返して実験を遂行して、結果の精度を高める必要があるため、作用メカニズム解析の基盤となる殺菌効果に関する再現性を得るのに予想外の時間を要し、さらには超微形態的解析には熟練した技術さらには手間と時間を要するため、当初の予定通りには進捗されていないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初に予定した目的の一郭である細菌学的ならびに超微形態的な解析については実証できた状態ではあるので、今後も、大筋は計画に沿って、なるべく速やかに実施を続行する所存である。とくに、平成26年度では、遅れている生化学的解析についても着手する予定である。 一方、本研究は芽胞に対する二酸化塩素の作用メカニズムの解明を一義においているが、合わせて対照消毒薬として用いている次亜塩素酸Naの抗芽胞作用メカニズムについても解明されつつある。これに基づいて、両消毒薬に関する抗芽胞作用については、栄養型細菌に対するこれら消毒薬の作用と比べて論ずる必要性のあることから、本実験の基本的実験として命題とすることも視野に入れている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在における研究の進捗状況として、まだ生化学的解析に着手できていない状況のため、それに使用する予定の消耗品等の購入が先送りとなったことから、残金が生じている。 今年度は、当初の予定通り、本研究遂行のため、先送りとした消耗品の購入ならびに、本研究による成果発表および本研究に役立てるための情報収集のための旅費の使用を予定している。
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Research Products
(10 results)