2014 Fiscal Year Research-status Report
RAF1遺伝子変異におけるヌーナン症候群発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
24591498
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 朋子 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (50436119)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 洋一 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (00209602) [Withdrawn]
呉 繁夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10205221)
川目 裕 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (60246395)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 先天異常症候群 / 遺伝学的検査 / 遺伝カウンセリング / ヌーナン症候群 / ヌーナン症候群関連疾患 / RAF1遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子生物学的観点と臨床的観点からヌーナン症候群の発症メカニズムを明らかにすることを目的として、本年度は以下の内容で研究を進めた。 1.臨床症状からヌーナン症候群関連疾患が疑われる患者の検体を全国から収集し、遺伝学的解析を継続的に施行した。 2.RAF1遺伝子変異陽性ヌーナン症候群の臨床症状の詳細検討を実施するために、主治医への質問紙による調査を施行した。9症例のRAF1遺伝子変異陽性ヌーナン症候群の詳細な自然歴を収集することができた。 3.RAF1遺伝子直接シークエンス法に加えて、マイクロアレイ染色体検査法を遺伝学的解析方法として導入した所、ヌーナン症候群以外の先天異常症候群(Pallister-Killian症候群や染色体微細欠失症候群など)であることが確定した症例を経験した。解像度高く染色体全体を網羅的に検索できるマイクロアレイ染色体検査の導入により、染色体異常症を除外した検体収集が可能となった。 4.ヌーナン症候群をはじめとする先天異常症候群に関して、診断につなげられる分子遺伝学的検査の活用法を検討した。 5.本研究の遺伝子解析でRAF1遺伝子変異陽性ヌーナン症候群であることが判明した患者の中に、遺伝子変異が片親から伝播している症例がいた。また、遺伝学的解析方法としてマイクロアレイ染色体検査法を導入したことにより、ヌーナン症候群ではない別の先天異常症候群であることが判明した症例がいた。遺伝学的検査により、ヌーナン症候群をはじめとする先天異常症候群の患者もしくはその家族が予想していなかった結果が出された際の遺伝カウンセリングをどの様にすれば良いのか、文献的系統レビューにて検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、分子生物学的観点と臨床的観点からヌーナン症候群の発症メカニズムの一端を明らかにすることを目的としていたが、途中年度から臨床的観点からの検討に重点を置くことに変更している。変更に伴ない遺伝カウンセリング体制作りが必要となった。臨床的観点からの検討では、データ収集が完了しているが発表できる段階にまでは至っていない。遺伝カウンセリング体制作りに向けての文献的系統レビューは完了しているが、体制が構築できる段階にまでは至っていない。そのため、研究期間を1年間延長する方針となり、科学研究費助成事業補助事業期間延長が2015年3月20日に承認された。
|
Strategy for Future Research Activity |
臨床的観点からの検討で収集したデータを取りまとめ、学会や論文で発表する。遺伝カウンセリング体制作りに向けて施行した文献的系統レビューに関して学会や論文で発表しつつ、ヌーナン症候群をはじめとする先天異常症候群に対して遺伝子解析により診断された時の遺伝カウンセリング体制作りを進めていく。
|
Causes of Carryover |
当初3年間の研究期間だったが、予定最終年度までの達成度が遅れているため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究目的達成のための検体集積、遺伝子解析、情報収集は完了した。その研究成果を取りまとめた論文を英文雑誌に投稿するための英文校正費と投稿費、国内外の学会で発表するための経費に充てる。
|
-
-
[Journal Article] Efficacy of long term weekly ACTH therapy for intractable epilepsy2014
Author(s)
Inui T*, Kobayashi T*, Kobayashi S, Sato R, Endo W, Kikuchi A, Nakayama T, Uematsu M, Takayanagi M, Kato M, Saitsu H, Matsumoto N, Kure S, Haginoya K (*:Co-first authors)
-
Journal Title
Brain Dev
Volume: 37
Pages: 449-454
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] RBPJ is disrupted in a case of proximal 4p deletion syndrome with epilepsy2014
Author(s)
Nakayama T, Saitsu H, Endo W, Kikuchi A, Uematsu M, Haginoya K, Hino-fukuyo N, Kobayashi T, Iwasaki M, Tominag T, Kure S, Matsumoto N
-
Journal Title
Brain Dev
Volume: 36
Pages: 532-536
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Clinical features and long-term outcome of a group of Japanese children with inflammatory central nervous system disorders and seropositivity to myelin-oligodendrocyte glycoprotein antibodies2014
Author(s)
Hino-Fukuyo N, Haginoya K, Nakashima I , Sato DK, Takahashi T, Misu T, Fujihara K, Hirose M, Kakisaka Y, Uematsu M, Kobayashi T, Kure S
-
Journal Title
Brain Dev
Volume: -
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-