2014 Fiscal Year Annual Research Report
ジペプチジルペプチダーゼ4活性からみた小児糖尿病の病態および治療に関する研究
Project/Area Number |
24591501
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鴨田 知博 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50224704)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インクレチン / ジペプチジルペプチダーゼ4 / 2型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】2型糖尿病に対するインクレチン関連薬の効果が期待されている。本邦成人での使用経験から有用性が認識され、小児に対する使用も考慮されるが、日本人小児におけるインクレチンの動態は明らかでない。2型糖尿病におけるDPP4活性を検討する上でインクレチンの動態を解明することは重要である。 【目的】肥満小児における活性型 Glucagon like peptide-1(GLP-1)の動態を検討する。 【対象および方法】対象はOGTTを施行した肥満小児10例(男:女=2:8)で平均12.9歳、平均BMIは29.8。正常耐糖能が2例、Impaired Glucose Toleranceが6例、糖尿病が2例。OGTT施行時にDPP-4阻害剤添加スピッツに0分、負荷後30、60、120分の血液を採取し、活性型GLP-1濃度をELISA法で測定した。 【結果】負荷前のGLP-1は7.57±4.41pmol/Lで、30分で8.96±3.67pmol/L、60分で7.95±3.95pmol/L、120分で9.07±4.42pmolであった。負荷後のいずれのポイントにおいても前値との間に有意差は認められなかった。負荷後30分でのInsulinogenic indexは1.59±1.90であり、0分、30分のGLP-1との有意な相関はなかった。 【考察】OGTT後のGLP-1は負荷前に比して有意な増加は見られなかった。本邦成人例での同様の測定方法による検討では糖負荷後、GLP-1分泌の増加がみられており、肥満小児におけるインクレチン動態の把握にはさらなる検討が必要と考えられた。
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