2013 Fiscal Year Research-status Report
転写因子Sf1の卵巣における発現機構および機能の分子機構の解明
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24591503
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鹿島田 健一 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (80451938)
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Keywords | Sex determination / ovarian development / transcription factor / SF1 / FOXL2 / WT1 |
Research Abstract |
卵巣においてSF1がどのような転写制御を受けるのか、またSF1が実際にどのような機能を果たすのか、についてはまだ不明な点が多い 。以上を踏まえ、本研究ではまずSF1の卵巣における発現調節機構、特に性腺が卵巣に分化し始めたところからSf1の転写抑制が生ずるメカニズムを性腺では卵巣特異的に発現するWNT4, Foxl2, BMP2, FSTなどとの関連から明らかにすることでSf1の卵巣における発現調節、およびその機 能を明らかにすることを目的とするした。 H24年度までにin vitroのシステムで、胎生期のマウス卵巣においては、Sf1の発現抑制にFoxl2が関与していることをセルトリ細胞のモデル細胞であるTM3細胞を用い証明し、さらにvivoでは性腺で機能することが証明されているSf1の600bpの性腺特異的プロモーターとLuciferase 遺伝子を結合させたレ ポーターベクターを作成、これを用いたレポーターアッセイを行い、RT-PCRの結果と同様にWT1による転写活性化をFOxl2が抑制するこ とを証明した。 H25年度においてさらに近位プロモーターにFOXL2の結合部位をChIP assayにより同定し、さらにその結合部位に変異を導入するとFOXL2の抑制作用が消失すること、一方FOXL2の存在自体がWT1のプロモーターへの結合を阻害しないことをそれぞれreporter assay、ChIP assayにより証明した。さらにFOXL2 ノックアウトマウスにおいてはSf1の発現が卵巣発生早期の胎生13.5日で有意に上昇していることをRT-PCR法にて示した。 以上より、FOXL2がSf1の卵巣における発現をWT1-KTSの転写活性作用を抑制することで抑制することをin vitro、 in vivoの実験において示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以上の如く、研究開始2年目においてSF1の卵巣における発現抑制機構を明らかにした。 以上の成果についてはFASEB J( 2014 May;28(5):2020-8)に掲載された。 今後H26年度はSf1の卵巣における機能を卵巣特異的ノックアウトマウスの作成などをもとに検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
卵巣でのSF1の機能を評価していく上で卵巣特異的にSF1をノックアウトしたマウスに作成について、検討を行いたいと考えている。本研究は、卵巣発生におけるSF1分子の制御機構のおよび機能について解明を果たそうとするものであり、性分化という領域において 重要な知見をもたらすことが期待される。さらに新たなSF1制御分子の同定はその情報を基に新たな性分化疾患(DSD)、卵巣機能不全の発見につなが る可能性があり、直接的な治療手段の開発にも繋がる可能性があると考えている。今後も常に臨床応用の可能性を考慮しつつ、本プロ ジェクトの発展を図っていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していたマウスの実験が遅延しております。そのための設備投資、およびマウスの作成費用が予想以上に低くなっています。今後遺伝子改変マウスを用いた実験を計画しており、それに向けた形での調整を行っております。 今年度にはマウスの実験を開始する形で施設内での調整を行っております。 基本的には卵巣特異的Sf1ノックアウトマウスの作成とそれに伴う表現型の変化、卵巣機能に及ぼす影響などについて検討を行う予定です。
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Research Products
(3 results)