2012 Fiscal Year Research-status Report
ジンクフィンガーによる相同組換えを用いたライソゾーム病に対する遺伝子治療研究
Project/Area Number |
24591527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小林 博司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90266619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 洋太 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20560824)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Zinc Finger / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
遺伝病の遺伝子治療を行う中で染色体への導入部位の特異性が問題となることが多く、今回相同組換えにより部位特異的に目的とする治療遺伝子の挿入が可能なzinc finger nucleus systemを用いて、進行性神経変性疾患であるKrabbe病のモデルマウスの遺伝子治療への応用を試みた。Krabbe病は常染色体劣性遺伝形式をとる先天性糖脂質代謝異常症で、糖脂質代謝酵素のひとつであるGALC(beta-galactocerebrosidae)の欠損または機能不全により発症し、主に中枢・末梢神経系の脱髄により進行性の神経症状を呈する疾患である。モデルとなるマウスは1976年よりJackson研究所で開発されたTwitcher mouseが主に用いられている。 まずTwitcher mouse由来のgenomic DNA を抽出し、GALCの機能不全の原因となる変異近傍領域でのシークエンスから効率良く認識、塩基置換できる可能性の高いZinc Finger mRNAをSigma社に委託してデザインし、更に鋳型となるドナープラスミドをデザイン、遺伝子合成した。これらを標的となる宿主細胞(Twitcher mouse由来の繊維芽細胞、またはシュワン細胞)とともにエレクトロポレーション法(Nucleofecta, Lonza社)によりコトランスフェクションすることにより塩基置換へ導く。現在、この予備実験としてマーカーとなるGFP遺伝子を導入する実験には成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画からはドナープラスミドの作製がやや遅れ、シュワン細胞などへの導入も成功していない。原因としては導入効率の低さ、宿主細胞の変異導入などが考慮され、これらの改善を目的に宿主細胞の変更、シークエンスの確認など準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、シュワン細胞などへの遺伝子導入(置換)に成功後は、モデルマウス由来のiPS細胞を作成しそれへの導入、更に遺伝子挿入部位の次世代シークエンサーなどを用いた検討を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
zinc finger 追加注文 約20万円 これはドナープラスミドを変更した際、条件設定のため同じZinc finger mRNAが更に必要となるため。 次世代シークエンサー委託費 約103万円 当初の予定通り、塩基置換に成功した細胞または組織の遺伝子挿入部位の検討に必要
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Research Products
(1 results)