2012 Fiscal Year Research-status Report
脳神経病変を標的としたリソゾーム病の新規治療法(遺伝子治療)の開発
Project/Area Number |
24591529
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
三宅 紀子 日本医科大学, 医学部, その他 (00421206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 弘一 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90267211)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 異染性白質ジストロフィー / 新生児治療 / AAV vector / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究では脳全体の広範な神経変性を伴う、MLDをモデルとして、①新生児期の治療法の確立、及びBBBを効率よく通過するための画期的な方法による②成体の神経症状の新規治療法の確立を行っていくとともに、臨床応用を念頭に安全性の検討も行い、臨床プロトコールの作製を行う。 1. 新生児期治療法の確立:ASA発現治療用AAVベクター(9型)を新生児期のMLD病のモデルマウスに静脈内投与し、脳神経組織への導入効率、ASA発現効率を解析すると共に、蓄積物質であるスルファチドの定量、行動実験などにて治療効果判定を行う。 2. 成体の神経症状の新規治療法の確立:治療用AAVベクターの改良(BBBを通過可能な血清型、scAAV)及び治療タンパクの改変(ASA-Tatキメラ蛋白質の作製)を行い、脳神経組織治療に最良のベクターの選択を行う。そのベクターを用いて成体MLD病のモデルマウスに静脈内投与、髄腔内投与にて治療効果判定を行っていく。 また、これらの治療モデルマウスを長期に観察し、副作用の検討も行い、これらの結果を基に臨床応用を目的としたプロトコールを作製する。 当該年度に実施した内容は,ASA発現治療用AAVベクター(9型)を新生児期のMLD病のモデルマウスに静脈内投与することにより、治療効果を得ることが出来、新生児期治療法の確立を行った。また成体の神経症状の治療法確立のために、self-complementary AAV (scAAV) ベクターの作製をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.新生児期治療法の確立 ASA発現治療用AAVベクター(9型)を作製新生児期のMLDのモデルマウスに静脈内投与し、脳神経組織への導入効率、ASA発現効率を解析すると共に、蓄積物質であるスルファチドの定量、行動実験などにて治療効果判定を行い予定通りである。 2.成体の神経症状の新規治療法の確立 (1)治療用AAVベクターの改良:BBBを通過可能な血清型の検索、self-complementary AAV (scAAV) ベクターの使用において、当該年度は、脳神経組織に高率に遺伝子導入が可能と言われている血清型9のscAAVベクターにGFP遺伝子を組み込んだベクター作製し投与したところ、scAAVベクターを使用することで、脳神経組織に導入できることを確認した。現在、治療用タンパクを発現するベクターを作成するところまで出来た。 新しいベクター作製に時間がかかったが、ウイルスは出来たのでこのまま進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
1.新生児期治療法の確立 治療出来ることまで確認出来たので、さらに長期に経過観察を行い、毒性試験等検討おこなう。 2.成体の神経症状の新規治療法の確立 治療ベクターまで作製出来ているので、今後は実際に動物実験を行い、治療出来るのか確認を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新生児期治療法の長期経過を行い毒性試験を検討、また成体への新規治療法のための動物飼育に使用。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] AAV9 mediated gene therapy of MLD model mice2012
Author(s)
Noriko Miyake, Koichi Miyake, Atsushi Sakai, Motoko Yamamoto, Ayumi Endo, Hidenori Suzuki, Takashi Shimada
Organizer
20th Annual Meeting of the European Society of Gene & Cell Therapy
Place of Presentation
Versailles, France
Year and Date
20121025-20121029
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