2013 Fiscal Year Research-status Report
母乳脂質濃度調節における核内受容体群クロストーク機構の解明
Project/Area Number |
24591530
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
瀧谷 公隆 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80319540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 浩 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30179874)
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Keywords | 母乳 / 脂質 / 核内受容体 |
Research Abstract |
母乳は子供の急激な成長と発達にとって重要であり、十分なエネルギーと必須栄養素を供給する。感染予 防物質・細胞・ホルモン・酵素・成長因子・結合タンパク質など多くの物質を含んでいる。授乳期の経過と ともに、母乳中のタンパク質、ミネラル成分は顕著に減少し、逆に乳糖および脂肪成分は上昇する。 このような変化に対する明確な理由は、未だ見いだされていない。ビタミン群も授乳を通じて、乳児に供給される。授乳の経過とともに、母乳中の脂溶性ビタミン E 濃度は、低下する。また、母乳中の脂質濃度は、 最初の30日間において、増加するが、これらの脂質濃度調節機構は不明である。 最近、分子生物学的手法を用いて、授乳期における脂質代謝に関する報告が散見される。例えば、授乳期の経過とともに、乳腺リポプロテインリパーゼ活性の上昇、脂肪酸合成酵素の遺伝子発現上昇が報告されている。本研究では、脂質代謝に関係する核内受容体(PPARα・γ・δあるいは LXR)が、授乳期の乳腺組織において、 どのように機能し、母乳中の脂質濃度調節に関与しているかを検討する。さらに核内受容体間のクロストーク機構を検討する。 現在の研究内容は、次のとおりである。Wistar 雌ラット(17週齢、出産後17日)に対して、核内受容体に核内受容体PPARαリガンド(Wy4643)、 PPARδリガンド(GW0472)、 PPARγリガンド(pioglitazone)の単回経口投与をそれぞれ行った。そこで、24時間後に検体を採取し、母乳中脂質濃度を測定する。それぞれの標的遺伝子群の発現を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
該当年度においては、主に動物実験を主体として行っている。予備実験として、Wistar 雌ラット(17週齢、出産後17日)に核内受容体PPARαリガンド(Wy4643)、 PPARδリガンド(GW0472)、 PPARγリガンド(pioglitazone)の単回経口投与をそれぞれ行った。24時間後に検体を採取し、母乳中脂質濃度を測定した。さらに乳腺細胞における各核内受容体の標的遺伝子群の発現をreal-time PCRで検討する準備を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1)乳腺細胞の遺伝子発現および母乳中の脂質分析 哺乳ラットに各核内受容体リガンドを投与し、乳腺細胞中の脂質代謝に関連する核内受容体の遺伝子発現を検討する。また、母乳中の脂質およびリポタンパク質の分析を行う。 2)核内受容体遺伝子欠損マウス(LXRα遺伝子欠損マウスおよびPPARα遺伝子欠損マウス)の母乳分析 遺伝子欠損マウスの飼育の準備を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験試薬の購入について、以前の試薬を使用したため、次年度使用額が生じた。 合計100万円の内訳は、分子生物実験試薬代 60万円、ラット・マウス・飼料代20万円、免疫染色・抗体代 10万円、プラスチック製品代 10万円の予定である。なお、次年度使用額(36,874円)は、分子生物実験試薬代に充当する予定である。
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Research Products
(3 results)