2014 Fiscal Year Annual Research Report
母乳脂質濃度調節における核内受容体群クロストーク機構の解明
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24591530
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
瀧谷 公隆 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80319540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 浩 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30179874)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 母乳 / 脂質 / 核内受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
母乳は乳児に十分なエネルギーと必須栄養素を供給し、健やかな成長と発達に大変重要である。感染予防物質・細胞成分・ホルモン・酵素・成長因子・結合タンパク質など多くの物質を含み、乳児の発育に必要充分な栄養源である。母乳成分は、授乳期の経過とともに変化する。すなわち、母乳中のタンパク質、ミネラル成分は顕著に減少し、逆に乳糖および脂肪成分は上昇する。 これら母乳成分の時間的変化に関するメカニズムは未だ不明である。ビタミン群も授乳を通じて、乳児に供給される。授乳の経過とともに、母乳中の脂溶性ビタミン濃度は低下する。また、母乳中の脂質濃度は、 最初の30日間において増加するが、これらの脂質濃度調節機構は不明である。最近、分授乳期における脂質代謝に関連する遺伝子発現に関する報告が散見される。例えば、授乳期の経過とともに、乳腺リポプロテインリパーゼ活性の上昇、脂肪酸合成酵素の遺伝子発現上昇が報告されている。本研究では、脂質代謝に関係する核内受容体(PPARα・γ・δあるいは LXR)が、授乳期の乳腺組織において、 どのように機能し、母乳中の脂質濃度調節に関与しているかを検討する。さらに核内受容体間のクロストーク機構を検討する。 Wistar 雌ラット(17週齢、出産後17日)に核内受容体PPARαリガンド(Wy4643)、 PPARδリガンド(GW0472)、 PPARγリガンド(pioglitazone)の単回経口投与をそれぞれ行った。24時間後に検体を採取し、母乳中脂質濃度を測定した。その結果、それぞれのリガンド投与により、わずかながら脂質の変動が見られたが、有意な差は認められなかった。以上から、脂質代謝に関連する転写因子PPAR群は、母乳中脂質濃度にある程度影響を与える可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)