2012 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症候群精神遅滞におけるRcan1遺伝子の役割
Project/Area Number |
24591535
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
淺田 幸江 独立行政法人理化学研究所, 神経遺伝研究チーム, 研究員 (60415065)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ダウン症候群 / 精神遅滞 / Rcan1 |
Research Abstract |
ダウン症候群は21番染色体の全体もしくはその一部が3倍体になることで多様な症状を発症する。ダウン症候群罹患者の脳では神経細胞死の増加、酸化ストレスの亢進を含む多くの異常が認められ、これらの異常が複雑に影響し合い精神遅滞が発症すると考えられる。これまでダウン症候群の原因遺伝子を特定するため、3倍体染色体領域に存在する遺伝子の一つを過剰発現したマウスの解析が行なわれてきたが、この解析方法ではその遺伝子がダウン症候群の原因遺伝子であると直接証明することができない。そこで本研究では、酸化ストレスによる神経細胞死への関与が報告されたRcan1遺伝子に着目し、ダウン症候群モデルマウス(TsICje)からRcan1遺伝子のみを正常コピー数に戻したマウス(Ts1CIe;Rcan1+/+/-)とTs1Cjeを比較検討することで、ダウン症候群における酸化ストレスにRcanl遺伝子が関与するか検討した。解析の結果、Ts1Cle;Rcan1+/+/-マウスの大脳において、早期酸化ストレスのマーカー(HEL)は8匹中2匹が上昇、5匹が減少、1匹が変化せず、後期酸化ストレスのマーカー(4-HNE)では10匹中4匹が上昇、4匹が減少、2匹が変化していなかった。 本研究の結果から、Rcan1遺伝子はダウン症候群モデルマウスの大脳における酸化ストレスの亢進に関与すると考えられるが、RcanI遺伝子単独で酸化ストレスを亢進させるのではなく他の3コピー遺伝子と相互作用して酸化ストレスの亢進に寄与することが示唆された。
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