2013 Fiscal Year Research-status Report
男子先天性中枢性性腺機能低下症患者の新しい診断法の開発と治療ガイドラインの作成
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24591536
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
佐藤 直子 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, 研究員 (10383069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬尾 美鈴 京都産業大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60211223)
田中 敏章 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (90142067)
北中 幸子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30431638)
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Keywords | 男性先天性中枢性性腺機能 / 次世代シーケンサー解析 / 性腺補充療法 / 変異解析 / 不妊 / 少子化対策 / 治療効果 / 変異機能解析 |
Research Abstract |
先天性男性中枢性性腺機能低下症(CMHH)は不妊の原因疾患であり、ゴナドトロピン療法(GT)による原因療法が可能であるが、小児期の思春期導入法と成人期の妊孕性獲得療法は確立されていない。また、遺伝的異質性が高く、約7割の原因は不明である。本研究の目的はCMHHにおいて、①迅速かつ効率的な分子遺伝学的診断法を開発すること②患者の長期治療経過を集積し、小児期~成人期の適切な治療法を確立すること③遺伝子異常が治療効果に与える影響を明確にし、CMHHの治療指針作成を目指すことである。 平成25年度では、引き続き次世代遺伝子解析による変異解析、前年度に同定した変異のin silico解析による機能変化予測、変異機能解析、変異陽性・陰性例の臨床解析を行った。今回、当疾患の既知遺伝子変異の約30%を占めるFGF-FGFRネットワーク関連遺伝子群KAL1、FGFR1、FGF8、HS6ST1等をA群とし、非FGF-FGFRネットワーク関連遺伝子群:CHD7、PROKR2、PROK2、WDR11、NELF、GnRHR、GnRH1、KISS1R、TACR3、TAC3等をB群と分類した。今回の機能変化予測解析において、A群に同定された変異は機能低下変異で、B群に同定された変異は正常蛋白機能と予測された。現在、A群の遺伝子変異について機能解析中である。臨床解析では、GT施行中のA・B群変異陽性CMHHにおいて、治療開始時年齢・身長、成人身長到達時年齢、成人身長、治療経過、妊孕性獲得等の情報を収集した。その結果、成人身長はほぼ正常化し、遺伝子変異の種類が成人身長へ影響しない事が示された。さらにGTは約半数のCMHHの妊孕性獲得に有効であったが、大半の蛋白機能が喪失するA群の変異陽性例では、治療反応性が不良であり、これにより遺伝子異常が妊孕性獲得に影響する可能性が示された。現在、将来の妊孕性と生理的な性成熟の発達を考慮した、小児期・成人期におけるCMHHの治療の新しい治療指針を作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CMHH患者検体の収集が順調に進んだこと、次世代シーケンサーを用いた当疾患の責任遺伝子群における変異解析条件の最適化と機械化が順調に行われ、大量検体の解析が滞りなく進んだことによる。また、臨床解析においても、臨床医からの臨床情報の集計が順調に進み、ゴナドトロピン治療への効果が明確にされ、CMHH患者における小児期の治療プロトコールの作成も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策として、1) 前年度の成果を発展させ、次世代シーケンサー解析による標準的遺伝子診断法確立のため、継続可能なシステム作りを目指す。2) 新たに同定された変異の機能解析を順次行い、CMHHの疾患成立機序を明らかにする。3) 変異および臨床解析:結果をデーターベース化し、臨床に直結するデータを患者へ還元する。4) 治療経過の集計・追跡を引き続き行う。既にGTを開始し、遺伝子検査の結果が出ている症例では、遺伝子変異の機能解析を行い、治療効果と遺伝子変異の相関性を検討する。二次性徴導入の時期、治療開始後の治療経過を記録し、治療導入時のFSH単独治療の有効性を検討し、既治療群と比較する。得られた治療効果により、既に草案が作られている新しい治療指針を改良する。以上に4点について、研究を継続・遂行していく予定である。
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Research Products
(8 results)