2012 Fiscal Year Research-status Report
p115RhoGEFを標的とする急性骨髄性白血病細胞分化誘導薬開発への基盤研究
Project/Area Number |
24591540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 信周 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (90247007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 猛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (70306835)
小笹 徹 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (70202059)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞分化 / リン酸化修飾 / 核移行 / RH-RhoGEF |
Research Abstract |
3種類あるヒトRH-RhoGEF(guanine nucleotide exchange factor)― RHドメインを有する低分子量G蛋白Rho活性化因子―の一員、Leukemia-Associated RhoGEF (LARG)が、急性骨髄性白血病患者において、MLL(mixed lineage leukemia)の融合パートナーとして同定された(Kourlas et al., 2000)。そこで私達は、”RH-RhoGEF自身が、MLLを介してではなく、直接細胞悪性化や分化に関与する“ という仮説を立てた。その結果、LARGのホモログ、p115RhoGEFを急性骨髄性白血病細胞株、HL60細胞に強制発現させると、分化が誘導される事を見い出した。H24年度にはATRA分化前後のHL60細胞の核、細胞質または細胞膜分画を調整し、p115RhoGEF特異的抗体を用いてショットガンプロテオミクスを行った。その結果、Gα13~p115RhoGEF~RhoAという細胞膜直下で作動するcanonical pathwayとは別に、p115RhoGEFが、核に移行して新規ターゲットとなるRFP( Ret Finger Protein、TRIM27)などとダイナミックな核内蛋白複合体を形成して分化調節する、新しいシグナルパスウェイがある可能性を提示できた。今まで細胞質に存在すると考えられていたp115RhoGEFの核への移行はリン酸化修飾によってコントロールされることがわかった。更に、分化に応じて特異的なリン酸化修飾が生じ、その結果ターゲットとの結合が調節されている可能性を提示できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24年度の研究目的・計画は、 1. 核と細胞質においてp115RhoGEFが形成する蛋白複合体やp115RhoA蛋白修飾の解析 2. p115RhoGEF を核や細胞質に局在を規定する機構の解明 にあった。 ATRA分化前後のHL60細胞の核、細胞質または細胞膜分画を調整し、p115RhoGEF特異的抗体を用いたショットガンプロテオミクスを行い、形成される蛋白複合体やp115RhoGEF蛋白修飾を分化・局在の面から比較検討を行った。その結果、核局在または分化に特異的な蛋白修飾部位を、予定通り特定することができた。特定された部分の蛋白修飾をミミックするような変異体を作製し、細胞に強制発現することで、蛋白修飾による細胞内局在の影響を検証することもできた。研究は予定通り、順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)核局在の蛋白リン酸化修飾による調節、(2)分化に伴う蛋白リン酸化修飾が解明された。そこで、 1. p115RhoGEFリン酸化酵素の同定;特定の細胞周期におけるリン酸化修飾の可能性の検討 細胞周期に応じてp115RhoGEFがリン酸化され、核内に移行する可能性がある。そこで細胞周期によるp115RhoGEF、RFP、PML細胞内局在の変化を、DNA合成の指標となるEdU (5-ethynyl-2’-deoxyuridine)、mitosisの指標となるphospho Histon H3 (Ser10)、アクチン、チュブリンと共染色して、細胞周期と核内局在の関係を観察する。既に私達が同定したリン酸化部位はcyclin-dependent kinase (CDK)の基質となるモチーフを持っていた。実際にCDKによりリン酸化されるのか、p115RhoGEF/CDKの再構成系と、細胞の強制発現系で観察する。リン酸化されれば、その部位を同定し、変異体を作製する。細胞への強制発現を行い、細胞周期に与える影響を観察する。変異体蛋白を作製し、再構築系でリン酸化やRhoA活性化能を野生型と比較検討する。 2. p115RhoGEFリン酸化が核蛋白RFPとの結合に与える影響―PML間蛋白蛋白相互作用がNuclear body( NB)構成分子に与える影響と分化の関係の解析 特定されたリン酸化部位の変異体を細胞に強制発現して、免疫沈降法や免疫細胞染色法を用いて、RFP等のターゲットとの相互作用やNBの形態変化を観察する。更に、分化度を表面マーカー細胞( CD11b)等の発現を指標としてフローサイトメトリーによって観察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1. 細胞周期や細胞内局在の観察のため蛍光免疫細胞染色を行うための、細胞培養のための消耗品代、各種抗体、細胞周期マーカー、トランスフェクション試薬の購入、lentivirus作製・維持のための費用として使用される。 2. リン酸化部位の変異体作製のための試薬、またSf9-baculo virusの系を利用した変異体蛋白質精製のためのウイルス作製、細胞維持のための費用として使用される。 3. 再構築系・細胞系におけるリン酸化実験のためのアイソトープ購入のための費用に使用される。
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Research Products
(2 results)