2014 Fiscal Year Research-status Report
p115RhoGEFを標的とする急性骨髄性白血病細胞分化誘導薬開発への基盤研究
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24591540
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 信周 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (90247007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 猛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (70306835)
小笹 徹 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (70202059)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | RH-RhoGEF / 白血病細胞 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
3種類あるヒトRH-RhoGEF(guanine nucleotide exchange factor)― RHドメインを有する低分子量G蛋白Rho活性化因子―の一員、Leukemia-Associated RhoGEF (LARG)が、急性骨髄性白血病患者において、MLL(mixed lineage leukemia)の融合パートナーとして同定された(Kourlas et al., 2000)。私達は本研究において、RH-RhoGEF自身が直接細胞悪性化や分化に関与するする可能性について検討した。実際にLARGのホモログ、p115RhoGEFが急性骨髄性白血病細胞の分化に関与している事を見出した。ATRAによる分化前後のHL60細胞の核、細胞質または細胞膜分画を調整し、独自に開発したp115RhoGEF特異的抗体を用いてショットガンプロテオミクスを行い、核移行に必要なリン酸化部位の同定に成功した。さらに、p115RhoGEFの核内の新規標的分子の同定に成功した。生化学的・細胞生物学的手法を用いて、核移行メカニズムの解明、核内標的分子との相互作用の病態生理学的意義の解明を行った。Gα13~p115RhoGEF~RhoAという細胞膜直下で作動するcanonical pathwayとは別に、白血病細胞の分化にに寄与するGEF活性非依存的なRH-RhoGEFを介した新規シグナル伝達経路を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度はの研究目的は、「p115RhoGEFリン酸化による核蛋白複合体形成のダイナミクス:RFP、PMLを含む Nuclear bodyまたは新規ターゲット間の蛋白蛋白相互作用に与える影響と分化の関係」について解析を行う事であった。独自に開発したp115RhoGEF特異的抗体によるショットガンプロテオミクスと生化学的・細胞生物学的手法を用いて、核移行に必要なリン酸化部位の同定し、核移行メカニズムを解明した。さらに、リン酸化によって、核内蛋白複合体形成が調節されていることも明らかにした。その過程で、もう一つ重要なp115RhoGEFの核内新規標的分子の同定に成功した。現在の、その核内標的分子との相互作用の病態生理学的意義の解明を行っている。Gα13~p115RhoGEF~RhoAという細胞膜直下で作動するcanonical pathwayとは別に、白血病細胞の分化にに寄与するGEF活性非依存的なRH-RhoGEFを介した新規シグナル伝達経路を同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
核内に移行したp115RhoGEFのもう一つの重要な新規標的蛋白質が同定できたため、p115RhoGEFとの相互作用解析と、病態生理学的意義の検討を進める。新規標的蛋白質はSf9-baculo virusの系を用いて調製する。すでに確立した再構築系に加えて結合実験などを行う。生化学・細胞生物学的解析も平衡して進める。成果は、国際シンポジウムと論文で発表する。さらに、標的分子の詳細な分子間相互作用の解析を進め、治療薬の開発に繋げていきたい。
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Causes of Carryover |
H26年度に結果をまとめ、国際シンポジウムと論文で発表する予定であった。しかし、核内に移行したp115RhoGEFの新規標的蛋白質が同定できたため、その相互作用と生物学的意義の解析を継続して行うことにした。そのため、未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため次年度に、新規標的蛋白質との相互作用解析と、病態生理学的意義の検討を進める事とした。生化学・細胞生物学的解析を終了させ、国際シンポジウムと論文で発表する事に変更した。未使用額はその経費に充てることにしたい。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Gα13/PDZ-RhoGEF/RhoA Signaling Is Essential for Gastrin-Releasing Peptide Receptor-Mediated Colon Cancer Cell Migration.2014
Author(s)
PATEL, M., KAWANO, T., SUZUKI, N., HAMAKUBO, T., KARGINOV, A. V., and KOZASA, T.
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Journal Title
Molecular pharmacology
Volume: 86
Pages: 252-262
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] G protein-dependent basal and evoked endothelial cell vWF secretion.2014
Author(s)
RUSU, L., ANDREEVA, A., VISINTINE, D. J., KIM, K., VOGEL, S. M., STOJANOVIC-TERPO, A., CHERNAYA, O., LIU, G., BAKHSHI, F. R., HABERICHTER, S. L., IWANARI, H., KUSANO-ARAI, O., SUZUKI, N., HAMAKUBO, T., KOZASA, T., CHO, J., DU, X., and MINSHALL, R. D
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Journal Title
Blood
Volume: 123
Pages: 442-450
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] p115RH-RhoGEF targets lamin B to promote the differentiation of human leukemic cells2014
Author(s)
SUZUKI, N., KAWAMURA, T., HAJICEK, T, HAMAKUBO, T. & KOZASA, T
Organizer
Gordon Research Conference
Place of Presentation
University of New England, Biddeford, ME, USA
Year and Date
2014-06-15 – 2014-06-20
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