2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNAセンサーベクターを用いた新規ヒト造血幹細胞分画の同定と機能解析
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24591549
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平松 英文 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40362503)
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Keywords | 造血幹細胞 |
Research Abstract |
昨年度に続いてmiR-126 sensing lentivirusを安定的に高タイターで産生できる系の立ち上げを行った。品質上の問題から、レンチウイルスシステムの開発元であるLuigi Naldini Labより各種プラスミドを入手し直す必要があったが、最終的にそれぞれのプラスミドを安定的に大腸菌へ導入することができ、それぞれ大量培養して十分量のプラスミドを精製した。続いて、それらプラスミドを同時に293T細胞へトランスフェクションして感染性ウイルス粒子を産生した。ウイルス回収のタイミングなどを最適化することでHeLa cellを用いた検討では1x10^9 particle/ ml以上の極めて高タイターのウイルス上清を得ることに成功した。次に同ウイルスを、ヒト臍帯血より分化抗原陽性細胞を除去した造血幹細胞分画 (Lin-CB)に感染させ、in vitroで経時的にGFPの発現を追跡したところ、分化によってGFP発現が亢進(つまりmiR-126 発現の低下)することを観察し、同レンチウイルスが問題なく機能していることを確認した。また同時に、NOGマウスにLin-CBを移植し、マウス骨髄から磁気ビーズを用いてヒト造血細胞を選択的に濃縮してヒト造血幹細胞分画をフローサイトメトリーにより解析できる実験系の立ち上げを行い、本研究の目的であるmiR-126 sensing lentivirusが導入されたヒト造血細胞をNOGマウスより分取して細胞レベルで解析できる準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はウイルス産生が順調に行われ、すべての基礎実験をほぼ修了することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
新鮮臍帯血を随時処理してLi-CBを十分量用意し、miR-126 sensing lentivirusもしくはcontrol lentivirusを感染させ、一実験あたりおおむね5-8匹のNOGマウスへそれぞれ骨髄内移植を行う。生着が安定する移植後三ヶ月程度の時期に、マウスの骨髄より磁気ビーズを用いてヒト細胞を濃縮し、さらに分化抗原陽性の成熟細胞を除去しする。残ったヒト幹/前駆細胞分画をCD34, 38, 45RA, 90などの抗体で染色し、フローサイトメトリーを用いて未分化な造血細胞集団を同定する。GFPが最も低い(miR-126発現が高い)細胞集団を探索し、特に従来造血幹細胞活性が知られていなかったCD34陰性集団のなかでmiR-126が高発現している細胞群を分取して、コロニーアッセイやNOGマウスへの移植を通じて造血幹細胞活性があるかどうかを検証する。 造血幹細胞活性が確認できれば、マイクロアレイを用いて新たな造血幹細胞マーカーとなり得る表面抗原や転写因子など候補をリストアップし、特に表面抗原については前方視的に造血幹細胞を純化することに利用できないか検討する
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