2014 Fiscal Year Research-status Report
川崎病の冠動脈病変および治療不応例における病態特異的マーカーのプロテオミクス解析
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24591561
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
唐澤 里江 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50434410)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 川崎病 / 冠動脈病変 / 治療抵抗性 / 抗血管内皮細胞抗体 / プロテオミクス / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、プロテオミクスで、免疫グロブリン不応例の川崎病(KD)血清検体と大動脈血管内皮細胞 (Human Artery Endothelial Cells:HAEC) および冠動脈血管内皮細胞 (Human Coronary Artery Endothelial Cells:HCAEC) を用いて、それぞれにおける抗血管内皮細胞抗体 (anti-endothelial cell antibody:AECA) の対応抗原候補蛋白を検出・同定する。同定蛋白に対する自己抗体陽性率と免疫グロブリン不応例におけるその臨床的意義(人種差含め)について検討することを予定していた。小児血清検体数が予定数を大幅に下回り、詳細な検討が困難であったため、①抗peroxiredoxin2 (Prx2) 抗体およびPrx2蛋白の機能、および他の小児リウマチ性疾患における抗Prx2抗体の陽性率 ② 昨年に引き続き、冠動脈拡張のみで冠動脈瘤を認めないKD患者血清とHCAECを用いたAECAの対応抗原の検出および免疫グロブリン不応例のKD患者血清とHCAECとHAECを用いたAECAの対応抗原候補蛋白の検出を行っている。
【結果】①血管内皮細胞以外の細胞、変形性関節症患者からの軟骨細胞および滑膜細胞をPrx2蛋白でそれぞれ刺激したところ、IL-6, IL-8, TNFαおよびGM-CSFの軟骨細胞および滑膜細胞からの産生が著しく増加した。若年性皮膚筋炎の患者13人(active;8, inactive;5)で抗Prx2抗体価を測定したところ全症例で陰性であった。②現在、2次元電気泳動 (2-DE) とその後のKD患者血清を用いたウェスタンブロット法 (WB) (2DE-WB) における条件検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
KD患者血清検体数 (特に冠動脈病変合併例および免疫グロブリン不応例)が予定数を大幅に下回り、準備に予定以上の時間を要している。国外のKD患者血清に関しても現在準備を進めている。Prx2蛋白および抗Prx2抗体の機能に関しては、当初の予定以上に進展しているが、large-scaleでの抗Prx2抗体価の評価に関しても、小児健常人血清検体の準備に予定以上の時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、国内外の小児血清の準備を進めているが、その状況によっては一部研究予定を変更して2DE-WBを行い、AECAの対応抗原候補蛋白を検出・同定していく。
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Causes of Carryover |
患者血清検体の準備に時間を要しているため、2DE-WBに関連した物品の購入が遅れており、次年度に購入を予定している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2DE-WBに関連した消耗品の購入を予定している。
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