2014 Fiscal Year Research-status Report
学校心臓病検診における新規致死性不整脈のリスクの検討
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24591570
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 博 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (00401737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星名 哲 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80444165)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 致死性不整脈 / 学校心臓病検診 / 若年突然死 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に抽出したQT短縮例と早期再分極例はなかった。平成25年度までに抽出したQT短縮39例の経過観察を引き続き行った。平成26年度に新たに不整脈による症状を認めた例はなかった。また若年突然死などの家族歴が新たに確認された例もなかった。若年突然死の家族歴のある2例と若年発症の心房細動の家族歴と意識障害の既往がある1例、合計3例に遺伝子検査を施行したが、既知の遺伝子異常を認めた例はなかった。以上より、今回の研究におけるQT短縮症候群の診断基準:確定例 ①QTc<340でかつ以下の1つを満たすもの。1)心房細動や心室細動が確認されたもの、2)心肺停止からの回復者。②QT短縮症候群の家族歴。QTc<360でかつ、遺伝子診断がついたもの。疑い例 QTc<360でかつ、以下の1つを満たすもの。1)不整脈に関連の症状(失神等)、2)若年突然死の家族歴。に従うと、これまでQT短縮症候群の確定例はなく、疑い例は計6例のままであった。 一方2013年にHRS/EHRA/APHRS Expert Consensus StatementでQT短縮症候群の診断基準が提唱された。主に成人例に基づき作成され、以下をQT短縮症候群とした。1) QTc≦330ms。 または2) QTc≦360ms かつ以下の一つ以上を認めるもの。 ①原因となる遺伝子異常がある。②心室頻拍・心室細動の既往(他に原因となる心疾患がない)。③QT短縮症候群の家族歴。④40歳以下の突然死の家族。この診断基準に基づくと、本研究において、2009年度に限っただけでも抽出した14例中7例が確定例となり、過剰診断となっている可能性が高く、これを学校検診の抽出基準とするのは適切ではないと判断した。我々の研究成果を鑑み、より診断基準の改訂が必要と考えられた。 さらに適切な抽出基準策定のため、研究者が幹事を務める日本小児心電学会を中心にして、QT短縮症候群症小児例の全国調査を行い、自験例も含め、9例を集積できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
QT短縮の抽出基準策定については、新潟市学校心臓病検診での抽出が進んでいる。さらに日本小児心電学会での議論や全国調査も行うことができ、順調に進んでいる。但し、早期再分極については、2次精査を施行する施設の受け入れ体制が整わず。進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には、早期再分極者の抽出、精査にあたる。平成21~26年までの被抽出者の経過観察を行う。それまでの研究結果をまとめ国際学会に報告する。 本研究の成果と、QT短縮症候群や早期再分極症候群の既報告も参考にして、学校心臓病検診でのQT短縮の抽出基準策定を日本小児心電学会の幹事で構成された、ワーキンググループで行っていく。
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Causes of Carryover |
予定していた国際学会での発表を見送ったため。 また予定していた2次検査とその解析作業が行われなかった。 予定していたよりも遺伝子解析が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際学会での発表を行う。 2次検査とデータ解析のための人件費とデータ解析ソフトの購入を予定。 遺伝子解析をさらに行うために使用予定。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Electrical storm in patients with brugada syndrome is associated with early repolarization.2014
Author(s)
Kaneko Y, Horie M, Niwano S, Kusano KF, Takatsuki S, Kurita T, Mitsuhashi T, Nakajima T, Irie T, Hasegawa K, Noda T, Kamakura S, Aizawa Y, Yasuoka R, Torigoe K Suzuki H, Ohe T, Shimizu A, Fukuda K, Kurabayashi M, Aizawa Y.
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Journal Title
Circ Arrhythm Electrophysiol.
Volume: 6
Pages: 1122-8
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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