2014 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧における血管周囲交感神経の血管リモデリングへの関与とエンドセリンの役割
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24591573
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 太一 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20422777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深澤 佳絵 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00612764)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / 交感神経 / リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、肺高血圧症での血管周囲交感神経の肺血管リモデリングへの関与とエンドセリンの役割を検討した。平成26年度は肺高血圧治療薬であるエンドセリン拮抗薬アンブリセンタンを用いることにより、肺高血圧病変における血管周囲交感神経の関与と血管周囲交感神経に対するエンドセリンの役割を調べるにあたり、昨年の検討からさらに時系列を変えて検討することで、病変形成の過程での差異を検討した。モノクロタリン(以下MCT)誘発肺高血圧モデルラットに対して、アンブリセンタンを21日間連続経口投与することにより、肺高血圧治療群を作成した。さらに、MCT皮下注後生理食塩水を同期間投与した群(肺高血圧群)、あるいはMCT投与をせず、生理食塩水を同期間投与した群(コントロール群)の3群を作成して比較検討した。MCT皮下注射21日後に血行動態評価を行ったうえ屠殺し、肺組織を得た。肺高血圧治療群では、肺高血圧群に対して、右室圧および右室肥大の改善が確認された。抗チロシンヒドロキシラーゼ(以下TH)抗体により、肺血管周囲交感神経の分布の差異を3群間で比較した。MCT投与後16日間で比較した場合と同様、肺高血圧病変の中心である50-200μmの径の肺血管周囲には治療群においても他の2群と同様にTH陽性細胞は極めてまれにしか存在しなかった。一方で、さらに近位の径の大きい肺血管の周囲にはTH陽性を示す細胞はいずれの群においても認められたが、肺高血圧群と治療群で明らかな差は認めなかった。研究期間全体を通じて、ラットMCT誘発肺高血圧病変における血管周囲交感神経の分布が明らかとなり、また、MCT誘発肺高血圧モデルに対して、アンブリセンタンは比較的病初期から病変を改善させることも明らかとなった。一方で、肺高血圧病変において、エンドセリンを介した血管周囲交感神経の関与があまり強くない可能性が示唆された。
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[Journal Article] Potential Contribution of Phenotypically Modulated Smooth Muscle Cells and Related Inflammation in the Development of Experimental Obstructive Pulmonary Vasculopathy in Rats.2015
Author(s)
Otsuki S, Sawada H, Yodoya N, Shinohara T, Kato T, Ohashi H, Zhang E, Imanaka-Yoshida K, Shimpo H, Maruyama K, Komada Y, Mitani Y.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 10
Pages: e0118655
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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