2014 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞タイトジャンクションの動的評価によるウイルス関連急性脳症の病態の解明
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24591581
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00305369)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳症 / 血管内皮 / サイトカイン / タイトジャンクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も昨年度同様、提供された臍帯から臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を単離・培養し、以下の評価系を用い、HUVECに対する炎症性サイトカインの影響を評価する評価系を確立した。 1)経内皮細胞電気抵抗値(Transendothelial Electric Resistance: TER)測定。24ウェルトランスウェルに単層培養したHUVECへ炎症性サイトカインの一つであるTNFαを段階希釈して添加した。細胞リアルタイムモニタリングシステム(cellZscope®, CELLSEED JAPAN)を用いてTERを経時的に測定した。TNFα添加後、TERは一旦低下し、その後回復することが観察されたが、TER低下と回復までの時間はTNFα濃度依存性であった。 2)溶質透過性測定試。TER測定と同様に培養したHUVECに段階希釈したTNFαを添加し、一定時間培養後、トランスウェル上層にFITC標識デキストランを添加し、下層に漏出したデキストランの蛍光強度を傾向マイクロプレートリーダーを用いて測定した。TNFαの濃度依存性に添加12時間後の下層の蛍光強度が強く、血管の透過性が亢進していることを確かめた。また、時間経過とともに透過性の改善を認めた。 3)タイトジャンクションの免疫染色。上記細胞培養系を用い、血管内皮細胞タイトジャンクションの一つであるクローディン5を蛍光免疫染色し、その局在について観察した。血管透過性亢進状態ではクローディン5が非局在化し、TER測定試験、溶質透過性試験同様血管透過性変化の様子をタイトジャンクションの免疫染色でも観察することができた。 以上の評価系を用いることにより、急性脳症時の高サイトカイン血症状態における血管透過性亢進の様子をin vitroで評価することができた。本法を用いることで急性脳症のさらなる病態解明・治療方法開発が進むと考えられる。
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