2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24591583
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
問山 健太郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00433285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸井 利幸 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10264780)
|
Keywords | PH crisis / 先天性心疾患 / 肺高血圧 |
Research Abstract |
昨年度は、肺灌流実験で実際の血管拡張物質(NOxとして測定)と血管収縮物質(endothelin-1, ET-1)についての定量を行った。20分の肺再灌流後、シャム群、シャント群の灌流液中NOxはともに増加したが、シャント群の方が増加量が有意に多かった(21.5±4.7μM vs 37.8±11.3μM, p<0.05)。NO合成酵素であるeNOS蛋白の肺内レベルはシャント群の方が多かった。エンドセリン-1の再灌流20分後の肺灌流液内レベルはシャント群で有意に高値であった(8.1±3.8 pg/ml vs 34.2±11.8 pg/ml)。ET-1の前駆体であるbig ET-1の肺組織内濃度はシャント群で有意に高値であった(31.8±4.2 vs 5.2±0.5)。 シャム群、シャント群ともにNO、ET-1が増加していたが、再灌流時の肺血管抵抗増加はシャント群の肺のみであった。シャント群の肺ではNO産生も有意に増加してたにもかかわらず、再灌流時の肺血管抵抗増加をきたした原因について仮説を立てると、シャント群では容量負荷によるshare stressによる何らかの機構が関与して、肺血管床の再灌流時の酸化ストレスに対する反応性を増強すしているのではないかと考えられた。今後はその機構を容量負荷による肺血管膜脂質の変化による過酸化脂質産生増加が関与している可能性について検討する。
|