2012 Fiscal Year Research-status Report
難治性川崎病に対するNFAT経路遮断薬による新たな治療法開発の試み
Project/Area Number |
24591584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
武内 崇 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10246522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 徳茂 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10158412)
末永 智浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70433365)
鈴木 啓之 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80196865)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 川崎病 / T細胞 / NFAT / シクロスポリン / IVIG不応 |
Research Abstract |
2012年5月以降、当院に入院した川崎病患児から、ガンマグロブリン静注療法(IVIG)やシクロスポリン(CsA)内服等の治療介入前後に末梢血検体を得た。これらの検体から、フローサイトメトリー(FACS)を用いて、好中球、リンパ球において、細胞内シグナル伝達物質であるpSTAT1, pSTAT3, pSTAT5の平均蛍光強度(MFI)、顆粒球の細胞膜表面抗原CD177のMFIを測定した。また、同時に末梢血検体からRNAを抽出し、real time RT PCR法を用いて、IL2, IL4, IL6, IL10, p38, CD177, IFNG, NFATc1, NFATc2, TGFB1, STAT3の各RNAの半定量的測定を行った。 2013年4月時点の対象患児は33名で、IVIG投与例27名、CsA投与例6名であった。 FACSに関しては、IVIG前後のMFIの比較で、顆粒球のCD177、CD3(+) Tリンパ球のpSTAT3、CD16b(+)好中球のpSTAT3、pSTAT5の変化に有意差を認めた。またCsA投与後のMFIが投与前と比較して、pSTAT1, pSTAT3, pSTAT5, CD177すべてで低下傾向を認めた。 real time RT PCR法の検討で、IVIG後は、投与前と比較して、CD177, p38, STAT3の低下, NFATc1, NFATc2の上昇を認めた。また、CsA投与前後の検討で、投与後にCD177は低下、NFATc2は上昇の傾向を示した。(まとめ)現時点の検討では、サンプルサイズが小さく有意差を認めないが、一部の検討項目で、薬剤投与前後での一定の傾向を認め、継続して症例数を増やすことで新たに知見が得られる可能性がある。また、臨床経過や血液検査データとの比較などの解析も加えて研究を発展させてゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
種々の検討項目において一定の傾向を認めているが、有意差を認めた項目が見いだせていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に引き続いて、症例数を増加させて検討を継続したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き、細胞内シグナル伝達物質の抗体を購入して研究を継続する予定である。
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