2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳血流への影響を加味した右心不全に対する治療法の確立
Project/Area Number |
24591586
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
浦島 崇 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20338875)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 賢一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00256447)
角田 亘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00453788)
草刈 洋一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80338889)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 右心不全 / 右室肥大 / ラット / 肺動脈絞扼術 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性心疾患に対する生命予後の改善に伴い、重症心疾患の患児も就学が可能な年齢まで生存するようになり、学習障害、精神発達遅滞を有する児が多いことが報告された。さらにこれらの患者ではMRIを使用した全脳容積が健常児比で0.85と脳萎縮が認められていた。しかしながら低酸素血症、心不全がどのようなメカニズムで発達期にある脳へ影響を及ぼすか、基礎的な検討はほとんどなされていない。 目的:右心不全モデルラットを用いて脳への形態的な変化を明らかにする。 方法:右心不全モデルの作成(肺動脈のモデルラットの作成);200g(仔)と400g(成獣)のSDラットに対して人工呼吸管理下に開胸手術を行い、肺動脈絞扼術を施行。術後4週間に心エコー装置(vivi8 12Mhzプロ-ブ)で心拍出量を計測し、心拍出量が60ml/min以下のものを心不全モデル成功例として,人工呼吸下に開胸を行い心拍動下でグルタールアルデヒドを左心室から注中し還流固定処置を行った。心停止後に全脳を摘出し脳前頭葉を分割後、すぐに液体窒素に保管した。その後電子顕微鏡での観察を行った。1匹に10個の神経細胞内に存在する全ミトコンドリア数と形態異常を呈したミトコンドリア数で評価を行った。 結果:仔ラットの右心不全モデル全例で前頭部の神経細胞のミトコンドリアは膨化・崩壊の形態的異常を認めた(異常形態ミトコンドリア/前ミトコンドリア=0.37±0.16)。グリア細胞のミトコンドリアの形態は維持されていた。脳重量はコントロールと比較して有意な減少は認めなかった。成獣ラットにおいても神経細胞ミトコンドリアの形態異常を認めたミトコンドリア比は0.12+0.05と軽度であった。また肺動脈絞扼を徒手的に解除したモデルでは心機能の改善に伴い脳神経細胞のミトコンドリアの形態も改善を認めた。心拍出量を維持することは脳神経の発達に重要であると考えられた。
|
Research Products
(4 results)