2014 Fiscal Year Annual Research Report
胎仔の発達に伴う動脈管と肺動脈に発現する遺伝子の網羅的包括的研究
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24591587
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
羽山 恵美子 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00349698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 敏雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90120013)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 動脈管 / トランスクリプトーム / miRNA / プロテオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
酸素感受性血管の収縮弛緩のメカニズムを探究するために、6種類のラット血管試料(① 妊娠21日胎仔(酸素感受性が発達している成熟)動脈管、② 妊娠19日胎仔(酸素感受性が未発達な未熟)動脈管、③ 生後1日の新生仔の動脈管、④ 高酸素処理した妊娠21日胎仔動脈管、⑤ 低酸素処理した妊娠21日胎仔の動脈管、⑥ 妊娠21日胎仔主肺動脈)について、メッセンジャーRNAの発現をトランスクリプトーム解析し、発現レベルの指標であるFPKM (ある転写物上にマッピングされたフラグメント数を、遺伝子のエクソンの長さと全ゲノムにマッピングされた全フラグメント数で正規化した値)を用いて有意差検定を行った。④ 高酸素処理胎仔動脈管と⑤ 低酸素処理動脈管の比較では22遺伝子に有意差が認められ、その内高酸素処理がより高いFPKM 値を示す遺伝子は16あった。動脈管における胎仔発達に伴う発現遺伝子の変動は、① 妊娠21日と② 妊娠19日を比較すると61遺伝子に有意差が認められ、その内妊娠21日がより高いFPKM 値を示す遺伝子は11と少なく、変動する遺伝子の多くは未熟動脈管において高発現していた。① 妊娠21日と③ 新生仔を比較すると、43遺伝子に有意差が認められ、その内妊娠21日が新生仔より高いFPKM 値を示す遺伝子は19あった。① 成熟動脈管 と⑥ 肺動脈を比較すると78遺伝子に有意差が認められ、その内動脈管がより高いFPKM 値を示す遺伝子は37あり、興味深いことに酸化還元や血管の発達や収縮に関与するものが相当数含まれていた。 また、リアルタイムPCRアレイを用いて352マイクロRNA(miRNA)の発現量の比較検討を、ラット妊娠21日胎仔動脈管と同主肺動脈試料について実施した。4倍以上の発現量の違いを示したmiRNAは、動脈管>肺動脈では74、肺動脈>動脈管では13であった。
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