2014 Fiscal Year Annual Research Report
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)多段階変異発症モデルの構築
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24591589
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 正恵 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (10201328)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 麻疹ウイルス / SSPEウイルス / 神経病原性 / 細胞融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は、麻疹罹患後5年から10年の潜伏期間を経て発症し、この間、親株の麻疹ウイルス(MeV)は変異を蓄積してSSPEウイルスへと変貌する。その変異過程を解析し発症機構を解明する目的で、SSPE発症6週間後の5歳患児から分離したSSPEウイルス(SSPE-Kobe-1株)について、46の全アミノ酸変異の特徴付けを試みている。本年度は、(1)融合活性を担うFタンパク質について、細胞融合活性を亢進させる変異と逆に強く抑制する変異を特定し、それぞれの変異の神経細胞でのウイルス増殖における役割を明らかにした。また、(2)レセプター結合Hタンパク質においても、細胞融合活性を亢進させる変異と抑制する変異を同定し、head領域に確認された細胞融合活性を飛躍的に上昇させる変異と神経細胞でのウイルス増殖の間に密接な関連性を見出した。昨年度、SSPE-Kobe-1株の神経病原性の発現に、F、HおよびM遺伝子を必要とすることを報告したが、更に神経病原性に関わる遺伝子を絞り込んだところ、マウス感染実験において、(3) FおよびMの2遺伝子が必須であるという結果を得た。SSPEウイルスでは、最近になり、神経病原性はFタンパク質の変異のみで発現すると報告されているが、あらためてMタンパク質の変異の重要性が示唆された。その一方、Hタンパク質の変異については、その意義を再考する必要があり、神経病原性よりむしろ潜伏感染の成立に関連する可能性が考えられる。
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[Journal Article] Intramolecular complementation of measles virus fusion protein stability confers cell-cell fusion activity at 37 °C.2015
Author(s)
Satoh, Y., Hirose, M., Shogaki, H., Wakimoto, H., Kitagawa, Y., Gotoh, B., Takahashi, K. and Itoh, M.
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Journal Title
FEBS Lett.
Volume: 589
Pages: 152-158
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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